伝説の力、Viyella's Tears

広い校庭の隅で、櫻子たちは今日も必殺技の練習をしていた。最近は、日常の中にも戦闘訓練が自然と組み込まれている。櫻子、結花、もこ、そして幽々子の四人は、それぞれの技を磨き、少しでも強くなるために日々を過ごしている。


「それじゃあ、次は幽々子、あなたの番ね!」ヨツバが柔らかな声で幽々子に呼びかけた。緊張した表情を浮かべる幽々子だが、彼女もまた成長しているのを自覚していた。


「うん…やってみるね。」幽々子は頷き、静かに両手を広げる。彼女の持つ「LAMIA」の力を発動させるため、体内から湧き出すエネルギーを感じ取ろうと集中する。


「LAMIA…お願い、力を貸して…!」幽々子が静かに言葉をつぶやいた瞬間、彼女の手から虹色の光が放たれた。これまで見たことのないほどの強い輝きに、周囲は驚きで包まれた。


「何これ…!?すごい…!」櫻子が驚きの声を上げる。


だが、その虹色の光は次第に黒いインクのような色へと変化し、幽々子の手元に美しい弓矢が現れた。弓矢は光り輝く虹色と深いインク色が混ざり合った不思議な色合いを持ち、まるでその存在自体が特別な力を宿しているかのようだ。


「えっ、これって…」幽々子自身も驚いた様子で、出現した弓矢を見つめた。


「これ…もしかして、『LAMIA』が進化したの?」ヨツバが静かに近づきながら声をかけた。


「進化…?」幽々子が困惑した表情を浮かべる中、ヨツバの顔には驚愕の色が広がった。そして、目を点にさせながら幽々子の新たな力に気づいた。


「まさか…!それは千年に一度しか受け継がれないと言われる伝説のμ3じゃない!その名も『Viyella's Tears』…!」ヨツバは興奮した口調で続ける。「その力、一つで都市を壊滅させることができるって言われているのよ!!」


「な、なんですって…!」櫻子と結花、もこも同時に驚愕の声を上げた。


「そんな…そんな力が…私に?」幽々子は信じられないという表情で、手の中にある弓矢を見つめる。


「幽々子、すごいよ!」櫻子が駆け寄り、彼女の肩に手を置く。「君にそんなすごい力があるなんて!でも、私たちみんなでこの力をうまく使っていけば、どんな敵にも立ち向かえるよ!」


「そうだよ、幽々子。私たちは一緒だから、どんな力も怖くない!」もこも力強く言い、彼女を励ました。


「確かに、この力は驚異的だけど、幽々子ならきっと使いこなせる。君がどれだけ成長したか、みんな知ってるんだから!」結花も笑顔で言った。


幽々子は仲間たちの言葉に勇気づけられた。そして、ゆっくりと頷きながら、その弓矢をしっかりと握りしめた。「みんな、ありがとう…。私、この力を大事に使っていくよ。」


「ええ、それでいいのよ。あなたにはその力を扱う資格があるわ!」ヨツバが微笑みながら言った。


訓練場での一幕は、それだけで終わらなかった。幽々子の新たな力「Viyella's Tears」の存在を知った彼女たちは、その力の真の可能性を確かめるために、さらに訓練を続けることを決意した。


「さぁ、次はこの新しい力をどう使うか考えてみましょう。」ヨツバが指示を出し、四人は再び訓練に集中した。


「よーし、幽々子が新しい力を手に入れたなら、私たちも負けてられないわね!」櫻子が元気に声を上げる。「私ももっと頑張らないと!」


「そうだね、私ももう少し必殺技の精度を上げたいな…!」結花が頷き、集中する。


「私も…もこ、もう一度一緒に技を合わせてみようか?」もこが楽しそうに提案し、二人はペアでの訓練に挑む。


それぞれが新たなステップを踏み出す中、幽々子は「Viyella's Tears」の力を慎重に試し、弓矢から放たれるエネルギーを操る訓練を始めた。矢を放つ度に、虹色の光が空に瞬き、その力強さと美しさが周囲を魅了した。


「…やっぱり、すごいな。」幽々子は呟く。自分の手から放たれる力が、これほどまでに強大であることに驚きを隠せなかった。


「うん、それが君の力だよ。」ヨツバが静かに歩み寄り、彼女に優しい声をかけた。「でも、その力をどう使うかは、あなた次第なの。」


幽々子はヨツバの言葉に頷き、自分の中で決意を新たにした。「この力…みんなを守るために使うんだ。」


「それでいいわ。あなたならきっと、その力を正しい道へと導けるはずよ。」ヨツバは自信を持って言った。


訓練は日が暮れるまで続いた。夕焼けの空の下、彼女たちは疲れた身体を休めながら、それぞれの成果に満足していた。


「今日も頑張ったね!」櫻子が息を切らしながら言う。


「うん、私たち…確実に強くなってるよね。」結花が微笑んだ。


「ふふ、これからも一緒に頑張ろうね!」もこが楽しそうに言い、みんなの顔に笑顔が広がる。


「…私も、もっと頑張るよ。」幽々子が小さく呟いた。


「その意気よ、幽々子!」ヨツバが励ましの言葉を送り、彼女たちはまた明日も力を合わせて頑張ることを誓った。

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