第3話 完全犯罪?! 何度だってやってやる 私はMr.パーフェクト
私は今日も完全犯罪を遂行するわ。"今日も"って?そう、私はもう何度も完全犯罪を成功させている通称Mr.パーフェクトよ。私に殺せない人はいないわ、仕事を依頼されれば必ず成功させる。それが私、通称Mr.パーフェクトよ。でもね、聞いて。最近私の生活に不満があるのよ。原因は私の息子、小さい頃は手塩にかけて育てたのに大人になってからは全く親孝行しないの。今日だって自分の分のご飯だけ食べてさっさと自分の部屋に入ったわ。私だって忙しいのよ、私の分も作れっての。なんてったって私はMr.パーフェクトなのよ。だから今日は遂に息子を殺そうと思うわ。この家は2階建てだけど実は階段以外にもう一つ上に繋がる隠し通路がある。その隠し通路は二階のトイレの天井裏に繋がっていて、これは一階にある私の部屋からしか行くことができない。方法は簡単。まずは息子が二階にあがりトイレに入るのを待つ。息子がトイレに向かうのを確認したら、その通路を通り天井にある換気扇の上で待機する。すると、息子は用を済ませるから、タイミングを見計らい上からロープを下ろして首に引っ掛ける。あとは持ち上げれば自殺に見せかけた殺しができる。最後に通路は埋めてしまえば完全犯罪は完了よ。これはかなり難しい任務になるでしょうね、でも私なら絶対に成功させられるわ。だって私はMr.パーフェクトよ。
・・・おっと、やっとトイレに向かって行ったわね。嫁さんも丁度いないみたいだし、今がチャンス‼さあ、押し入れを開けてっと、あれ?!通路が塞がってるわ。まずいわね、まさか私の作戦がバレた?そんなはずない。この隠し通路は私しか知らないはずよ。でもどうする、早くしないと用を済ませてしまう。嫁も帰ってくるかもしれないしここで決めるしかない、新しい作戦をはやく。・・・そうだ、もう直接鍵を開けてもらって首を絞める。そのあと天井の換気扇に吊るせばいい。よし、いくぞ!
「トン、トン、トン、ねえトイレにコンタクト落としちゃったみたいなのよ。少し開けてくれないかしらー?」
「そうなのー?言ってくれれば拾うけどー?」
「大丈夫よ、自分で拾うわ、すぐ終わるから早く開けてー」
「ああ、分かったー。今開けるよ。」
「ふふふ、ありがとう、ガチャ」
じゃあロープを首に回してっと、って!な、なにー⁈なんで用を足さずに待ち伏せしているのー?!な、なぜ、いつ、作戦が、バ、レ、タ、、、パタッ
「おう、おかえりー、××ちゃんの送り迎えお疲れさまー」
「ああ疲れたー、ただいまー、今日お母さんの方どうだった?」
「うーん、今日もだよ。母さん認知症が進んでて、またいつもの行動とってた。」
「あーそっか、これで何度目なんだろうね、よくわからないあの動き。」
「何度目かはわからないけど、毎回二階のトイレに入るとあのコンタクトのくだりと、手にセーター持ってくるんだよ。まあ、立って待ってれば勝手にびっくりして倒れてくれるんだけどね。」
オチる短編ミステリー ワンダルピー @tako800
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