さよならじゃない

紙の妖精さん

第1話

放課後、駅のホームで、ゆうな、さら、りりか、の3人が待っていた。笑い声が響き、周囲の人々も思わず振り向く。


「ねえ、あの映画見た?」

「うん、見た見た!めっちゃ面白かったよね。」

「最後のシーン、やばくない?涙が止まらなかった。」


その時、電車が到着し、彼女たちは慌てて乗り込む。席に着くと、ゆうながスマホを取り出し、スクリーンショットを見せる。


「このシーン、ほんと最高だった!」

「分かる!私もここで泣いちゃった。」

「でも、あのキャラクターあんまり好きじゃなかった。」


少しおっとりした雰囲気の、さら、が控えめに口を挟む。

「え、なんで?あの子、面白かったよね。」

「確かに、でもちょっと自己中心的なところが…」


その瞬間、電車の揺れが大きくなり、彼女たちは自然と笑い合う。そこに、りりかの母親が隣の座席に座り、小さな女の子を連れてきた。


「お母さん、あの映画、私も見たい!」

女の子が目を輝かせる。

「あれはちょっと大人向けかもしれないから、もう少し大きくなってからね。」


お母さんの優しい声に、女の子は少し残念そうに頷く。すると、りりか、が話しかける。

「そういえば、私たちも映画を見に行こうと思ってるんだけど、今度一緒に行かない?」


「いいね!でも何の映画見る?」

女の子が興味津々で問いかける。

「アクションとかコメディとか、どれがいい?」

「アクションがいい!」


「りりかちゃん、今度連れてってあげてね!」

さらが微笑む。

「もちろん!私も行きたい!」

ゆうなが賛同する。


電車の中は和やかな雰囲気に包まれ、みんなの笑顔が広がっていく。会話が弾み、りりかのお母さんも思わず口を挟む。

「映画の後にみんなでお菓子作りとかどう?楽しいよ!」


「それ、面白そう!」

女の子が目を輝かせる。

「私、お母さんのお手伝いするのが好き!」

「じゃあ、私も参加する!」

りりかが元気よく応じる。


「みんなで作ったら、もっと楽しいね!」

さらが笑顔で言うと、ゆうなが頷く。

「それに、出来たお菓子を一緒に食べるのも楽しみ!」


電車が駅に到着し、彼女たちは立ち上がる。

「行こう、みんな!」

りりかが声をかけると、女の子も元気よく続く。


電車を降りると、りりかのお母さんが女の子の手を優しく引いて歩き出す。彼女たちの笑い声が響く。


駅を出て、5人は静かに歩き始めた。周囲の風景を眺めながら、何気ない会話が続く。


「りりかちゃん、今日の授業どうだった?」

ゆうながふと尋ねる。


「うーん、普通だったかな。特に何も…」

あかりが答えると、さくらが横から入る。

「私も。ちょっと眠くなっちゃった。」


女の子が興味津々で言った。

「眠くなるの?私、授業中はいつも集中してるよ!」


「それすごいね!私は寝ちゃうことある。」

ゆうなが笑いながら言う。


「でも、時々おもしろい話もあるよね。」

りりかが続ける。

「国語の先生、昨日の授業で面白いこと言ってた。」


「何て?」

さらが尋ねる。


「あのね、昔の話を聞くのが好きって言ってたの。」

りりかが話すと、他の子たちも興味を持つ。


「私も、そういうの好きだな。」

女の子が頷く。


その時、ゆうなが前を指差す。

「ほら、あの店、新しくなってる!」


「ほんとだ、今度行ってみたいね。」

さらが言うと、りりかも同意する。

「うん、気になる!」


歩きながら、自然におしゃべりを続ける5人。

「りりかちゃん、今週末は何か予定あるの?」

さらが尋ねる。


「特にはないけど、友達と遊びたいな。」

あかりが答えると、ゆうなが提案する。

「じゃあ、みんなでどこか行く?」


「いいね、どこに行く?」

りりかが聞くと、女の子が元気よく言う。

「公園に行きたい!」


「公園か、いいかもね。」

さらが微笑む。


「それ、楽しそう!」

りりかが賛成する。


駅から学校までの道のり、彼女たちは普通の会話を楽しみながら、これからのことを話し合う。特に盛り上がることもなく、でも心地よい空気が漂っていた。


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