第2話 ヘンリックは贈った石が呪われた石だと気付く
ヘンリックはアリーナから手紙をもらい学校が終わるころ迎えに来た。あの石が呪われた石だと聞いて、もしアリーナの身に何かあったら…そう思うといてもたってもいれなかった。
「アリーナ!!無事でよかった。」
「私は無事だけど?」
「心配で迎えに来たんだ。」
「心配はないわ。とりあえず家に行きましょ。」
「そうだね。」
2人はアリーナの家に向かった。
家に着くと家令に挨拶をしアリーナの部屋へ行く。ドアを開けてみると何も変わりはなかった。
箱から石を取り出すと赤い石と黄色い石が話し始める。「こんにちは。」「ごきげんよう。」と挨拶をされてヘンリックは少し驚いた。
ベッドで寝ていたブルーノは起き上がり「アリーナ、ヘンリックこれは呪いをかけられて石にされた人間だったにゃ。悪者かどうかもわからにゃいが魔力をこれ以上分けてあげなければ喋るだけだにゃ。それに、この呪いを解くのは少し手間がかかりそうなんだにゃ。」
「僕たち悪さはしないよ。」「しないわ。」と石は言う。
「本当に危なくないんだね?」ブルーノに聞く。
ヘンリックは自分が送った物で迷惑かけてしまったことを申し訳なく思った。
「何だか妙に目に付いて買ってしまったんだよ。ごめんね。」
「ううん。大丈夫。私も気付かなかったし。」
「それなんだけど。石がヘンリックに残ってる僅かな魔力を送ったらしいにゃ。助けてくれってにゃ。」 「どういう事?」
「呪いを解いてもらえそうだと思ったんにゃと。」
「僕、魔力は少ないけど…。」
「そこなんにゃよ。魔力だけならオレの方がずっと上にゃ。」
「魔力は関係ないのかな?」
「そうかもしれないにゃ。それと他の石にも魔力を与えて話をしたけど皆んな記憶が曖昧でどうしてこうなったかはわからなかったにゃ。」
「そうなんだね。こんな時なんだけど、明日からまた出張でしばらく来れないんだ。その間、心配だな。」
「大丈夫よ。いつも通りに待ってるわ。危険でもなさそうだし。それに私にはブルーノがいるわ。そんなことよりヘンリックは気をつけて行って来てね。」
「わかった。気をつけるよ。ブルーノよろしく頼むよ。」
「まかせろにゃ。」
ヘンリックはアリーナにプレゼントをした石が呪いを受けたものであったことをアリーナの両親に詫びた。
両親はアリーナに害が及ばない事を知り安心した。そしてしばらく石を預けておく事も了承してもらった。
そして夕方、ヘンリックは帰って行った。
明日からヘンリックはブリーズ国へ出張だ。
またアリーナとしばらく会えなくなるな。
外交官の仕事はは結婚したら伴侶を伴っての行事が多いい。出張は同伴だ。
結婚したらずっと一緒にいられるのに。
早くアリーナと結婚したいな。
ブリーズ国は魔法が盛んに使われていている魔法大国だ。優秀な魔法師がいるという。ヘンリックは石について調べてみることにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アリーナは学園に通い日常を過ごしていた。
デビュタントまであと2ヶ月。
それまでにはエンリックも帰ってくる。
最近、マリンが男子を侍らせ近よってに来るようになった。アリーナと仲良くなって友達になりたいという。だが、アリーナは何故か嫌だった。
「ちょっと友達にはなれないかなー。」そう断ると、「マリンが友達になりたいって言ってるのになぜアリーナは友達になってあげないんだ。」そう男子達に激しく詰め寄られた。何度も断ってもそのたびに男子に責められとても怖かった。
婚約者同士の喧嘩も目にするようになった。
「マークひどいわ。昨日のお茶会一緒に行くって約束してたのに。」
「お茶会ぐらいどうだっていいだろう。僕は忙しかったんだから。」
「嘘よ。本当はマリンとデートしていたって知ってるのよ。」
「だからどうしたって言うんだよ。お前とお茶会なんか行くよりマリンといた方が僕は幸せなんだ。」
「うわ〜ん。ひどいわ〜」とこんな感じ。
男子達はマリンに皆、恋慕というより陶酔しているようだ。
当のマリンは「みんなが勝手に私の所へ来るのよ。それは、私が可愛いし魅力的だから仕方ないわよね。」と言っていた。
そんな中、マリンに関わらないようにしている一部の男子がいた。
マリンがどんなに擦り寄っても目も向けず話しかけても無視をする。完全に嫌ってるようだ。
その男子の婚約者に虐められたと訴えても「貴様の言うようなことはとても信じがたい。我が婚約者がその様な事をするとは到底考えられない。」と言われて振り払われた。
マリンは歯ぎしりするほど悔しがっていたようだ。
その男子達はこの国の第一王子や側近、高位貴族の令息であった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
登場人物
アリーナ…主人公
ヘンリック…アリーナの婚約者
ブルーノ…アリーナの使い魔、聖獣
マリン…アリーナと同じクラスの女の子
マーク…アリーナと同じクラスの男の子、リリーの婚約
者
リリー…アリーナの友達、マークの婚約者
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます