第32話 カイと黒魔法男爵ラン

僕は男爵ランの前に飛んだ。

ミナ、海ねこマテオも後に続いた。

「待て!男爵ラン!止まれ!」

「誰ですか?止まれと命令する奴は?

おや、おや、これはこれは私をコケにした

カイではないですか。それに魚人のミナ!」

「ラン!なぜ海魔法王国サワラアイランドを

攻撃している!やめろ!」

「カイ、君には関係ないことです。」

「この国は僕の友人の国だ。攻撃は許さない!」

「カイ、君は偉くなりましたね。

生意気ですね。

僕を誰だと思ってるのかな。

僕は男爵だぞ。地位も権力もある。

それに今は、あの怪物、海底ダンジョンのボスモンスターの大ダコを従えている。

小さい人間が私に男爵ラン様に

勝てると思うなよ。ハハハ。」

悪徳男爵ランの声が響く。

前回戦った時と、どうやら様子が違うようだ。

海ねこに変身したマテオが、僕の頭の上を旋回する。

「カイ、気をつけろ。奴から黒魔法の気配がするぞ。」

「マテオ、忠告ありがとう。しかし大丈夫だ。前回ジオネ王国で戦った時と同じく、僕の勝ちさ。」

僕と男爵は空中戦で激しく戦い始めた。

剣が火花散る。

「ミナ、マテオ、ここは大丈夫だ。

大ダコはダオが追撃している。

間の雑魚どもを頼む。」

ミナが叫ぶ「海の中は私のテリトリーよ。

任せて。」

「カイ!気を抜くなよ。」

「よそ見をしていて、大丈夫ですか?人間!

ではいきますよ。」

男爵ランのカラダから黒い悪魔の炎が見えた。

次の瞬間、黒い炎が僕の頬をかすった。

「痛い!」

頬から血が流れた。

「まだまだですよ。これから、これから。」

連打で悪魔の炎と炎を帯びた剣で僕を攻撃

する。

確かに前回戦った時より数倍、強くなっている。それに一振り一振り、剣が重なるたびに

エネルギーを吸いとられていく。

なんだ。この感覚は?

空中戦で宙に浮いていたはずなのに僕は

スーッと「ザブン!」海の中に落ちてしまった。

冷たい海水の中でヌルリと僕のカラダが通過した。

この感触。前にも・・・

気が遠くなる。カラダが下へ下へと沈んでいく。

『カイ。カイ。』誰かが僕の名を呼ぶ。

懐かしい声だ。

「バーン!」僕は海中深くから何かに押し上げられ海面に飛び出た。

男爵ランの目の前にビューンと浮いた。

「生意気な人間カイ。海の中にたたき落としたのに。なんですか?その気持ち悪いほどのパワーは、いいでしょう。私の力を見せつけてあげましょう。」

男爵ランの黒魔法の黒い炎が大きくなる。

大ダコの足のように何本も、くねくねしながら

黒い炎の剣を連打してくる。

遠くから海ねこマテオが「カイ!目を覚ませ!

覚醒しろ。あの景色に帰りたいんだろう!」

そうだった。僕は僕の大好きな景色。

山下公園に氷川丸。家の窓から眺めるのが大好きだ。

「戻りたい。」大声で叫んだ。

僕のカラダから銀色の光が放射される。

「Wooー!」

僕は海ねこに変身した。

両手が広い翼となり自由に空を飛べる。

僕は黒魔法の炎をまとった男爵ランの目の前を高速で飛び、連打で攻撃した。

しかし男爵ランも黒魔法の炎で僕の攻撃を瞬時に交わす。

マテオが急降下で僕に近づく。

「大丈夫か。カイ!」

「大丈夫だ。マテオ、見て!

僕、海ねこになったよ!」

「そうか、覚醒したんだな。

カイ。これから、俺様が男爵ランを攻撃する。

よく見ているんだ。」

マテオは高速で男爵ランをほんろうさせる。

「海ねこビーム!」マテオは叫びながら赤い目から銀色の光線を出した。

海ねこビームが男爵ランの左手にあたる。

が男爵ランの治癒のスピードが異常に早い。

「なんだ。あの治癒の早さは。」

マテオが「カイ、ひるまずに攻撃するんだ。」

僕も海ねこの赤い目から「海ねこビーム」と

叫びながらビームを連射。

今度は右肩にあたる。

しかし傷はものすごい勢いで治癒されていく。

「マテオ、どうなっているんだ。

奴を倒せない!」

「やはり勇者の剣が必要だ。海賊が奪って、

海賊船ごと海に沈んでいる。勇者の剣。」

海の中から声が。

ミナだ。「この下に船が沈んでいるわ。

海賊船よ。それに異常にキラキラ光、剣が甲板の真ん中に突き刺さっているわ。」

「それだ!マテオ、男爵ランのことはしばらく頼んだ。」

「わかった。任せろ!」

僕はミナと海底に海ねこに変身したまま潜った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る