第15話 探せ勇者の剣
「マテオ、そういえばデルタが
”怪物を倒すには勇者の剣が必要だ”と言ってた。
その剣は海賊船が持っていてその船は難破してどこかの海の底に眠っているらしい。
まずその勇者の剣を探さなくてはいけないようだ。」
ドンクが「勇者の剣か。俺様も噂には聞いたことがある。
何百年も前に陸と海で争いがあった。
陸には良い人間、悪い人間がいた。
もちろん海にも良い生き物、悪い生き物がいた。そして陸には魔女が海には海底ダンジョンのモンスターがいた。
結局は陸の勇者が海のモンスターを倒したって聞いていた。
まさか、伝説が本当だったんだな。」
ミナが「私もその伝説は知っている。
でも全く逆よ。海の住人の伝説では悪い陸のモンスターを海の勇者が倒したって伝説よ。その剣を使って。」
頭が混乱したが、よくあることだ。
たぶんどちらも正解なんだろう。
それに勇者はいる。
海も陸も同じ勇者をさしている。
戦いは命が目の前で消えてしまえば、はっきりするが、そうじゃない時が一番困る。
それぞれが、自分に都合の良い解釈をするからだ。
これは陸、海、異世界問わずに同じだ。
僕は2人に「たぶん、何百年前の戦いは今も続いている。海底ダンジョンのモンスターの大ダコと陸との戦い。それにミナたち海の住人が巻き込まれている。なんとなく構造が見えて来た。
それに海ねこマテオ、この戦いがずっと続いていたことを知っていたよな。マテオはいったい何歳なんだ。まさか不死か?」
「カイの想像に任せる。」
「それにマテオ、この決着を都合よく僕に任せようとしているだろう。勇者ってかっこいい響きをもってさ。マテオ、お前は悪い海ねこだな。
でもいいさ。乗るよ。なんだかおもしろそうだ。それに僕はあの山下公園でみた嘘つきカモメよりやっぱり海ねこの方が好きだしな。」
ドンクが「なんだ、その嘘つきカモメってさ。」
「僕がいた世界でカモメのふりして飛んでいて山下公園の陸の結界にかかると人の顔になって、そこからでれない。
バカなカモメのことさ。たぶん海底ダンジョンのモンスターの手先だ。」
「ふーん、まぬけなカモメか。会ってみたいな。」
「そうか?ドンク。
それにミナ、たぶん今、頭の中がごちゃごちゃで困惑してるだろう。しかし、信じろ。
僕がいる。ドンクもいる。
僕らで、ミナの王国、海の住人を助けるために僕は戦うよ。モンスターの大ダコと。
それにマテオ、それが僕が元の世界に戻れる一番の近道なんだよな。」
「その通りだ。」
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