☆2 絵描き初心者の決意

 でも誕生日プレゼントって、どうやって準備するのが正解なのだろうか。

 いや、正解がないのは知っている。プレゼントに気持ちさえこもっていれば、準備の仕方なんて関係ない。


 まず、欲しいものなんて知らないし、ほしがものを欲しがっているのを見たことがない。


「○○欲しい~」と毎日のように言っていてくれればいいのだが、そんなことはない。


 双子だとは言っても、さすがに相手の欲しいものなんてわからないのである。


(無難に文房具でいいかな……)


 当時のわたしたちはある本がきっかけでとっても本にハマっていた。ある本のおかげで、今こうして小説を書いているといっても過言ではない。

 でも、「じゃあ本を買おう!」とはならなかった。



 せっかく本を買うのなら、一緒に行って買いたい。



 それが、主な課題だった。


 その課題と戦っているともう誕生日まであと2日!

 さすがにもう決めないと、と授業中も考え続けた結果、



 ――唯一 家にある、本が好きになったきっかけであるその異世界ファンタジーの本の登場人物の絵をかいてプレゼントすればよいのでは?



 という結論に至った。


 決して絵が得意とは言えないけど、「せめてそれだけでもいいからプレゼントしよう!」と思い、残り2日で絵を描くことに決定。


 絵を描くのに慣れている方なら2日なんて余裕だと思う。

 でもわたしは学校の図工の時間以外に絵を描くことがなかった初心者!!(自信を持っていうことじゃない)


 そんな初心者わたしには2日で描くことなんかできっこない。

 小学校だから宿題もあるわけだし、家に帰ればほしと必然的に一緒に過ごすことになる。ほしがいない時間なんて、1秒もないのだっ!


(大げさだと思います? それが、残念ながらホントなんです……)

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