最強スキルが異世界を救う⁉~The rord to becoming the strongest~

アスラン

第1話 死後の世界

世の中には不幸な事故がある。


強盗、殺人、衝突事故などで巻き添えをくらう形の不幸な事故がある。


その者達は運が悪ければ命を落とす。だからこそ不幸な事故なのだが、その不幸な事故の1人が俺だ。


『生涯に一片の悔いなし』と言う言葉があるのをご存知だろうか?


朦朧とした意識の中で、その言葉が俺の頭の中をよぎった。


「なんでやねん、悔いしか残ってないわ」


心の中で俺は叫びながら28年生きた人生に終わりを告げた。



……………。


「ここはどこだ?」


俺は真っ白な空間で言葉を発した。


その直後周りを見渡すと大勢の人達がいることに気付いた。


周りもガヤガヤとしている。


辺りが一層騒がしくなった時、眩い光と共に3人の美しい女性が現れた。


よく見てみると白い翼が見える?


その直後に1人の女性が話だした。


「皆さま、死後の世界へようこそ。


まあ、通常の死後の世界とは違った別空間なのですが、質問がある方は今から話す内容を聞いた上で質問して下さい」


そう言うと美しい女性は話出した。


簡潔に言うと、同じ時刻に亡くなった77人がこの空間に呼び集められたそうだ。


この77人に対して異世界転生をしないかと言う案内だった。


異世界に関してはスキルによって魔法があり、魔物が蔓延る世界だが、よく異世界物の小説などと違う点はスキルが無ければ魔法が使えないとのこと。


そして、スキルは神からの加護として全員一つのみだと言う。


簡単な話が終わると痺れを切らせた者達の質問が飛び交った。



ざっくばらんに質問が飛び交った女神の回答がこちら。


「女神様ですか?」

「貴女達の世界の言葉で言うならばそう言うことになるわね」



「異世界転生しないとどうなりますか?」

「普通に輪廻転生するだけね」



「今の記憶はどうなりますか?」

「今までの生きた記憶を持ったまま転生してもらうわ」



「赤ちゃんからの転生ですか?」

「赤ちゃんからの転生だけど、今の記憶は10歳の誕生日に蘇るわ」


「何故、10歳からなのですか?」

「10歳の誕生日以降に教会に行くと神の加護のスキルを授かることができるからよ」



「転生特典はあるのですか?」

「ここに居る者にはスキルを選ぶことが出来るわ。後はすぐに死なれても困るから状態異常の耐性だけは肉体に付与しておくから、それが特典ね」


「それはスキルが二つと言うことですか?」

「耐性を付与するだけで人より病気になり難いってだけよ。スキルが一つであることはこの世界共通よ」


「ダンジョンなどでスキル書などはありますか?」

「ダンジョンはあるが、スキル書はないわ。先に言っておくけど、スキルは神が与えた物であって何人たりともそれ以外で手に入れることはできないわ」


「何故、異世界に転生をさせるのですか?」

「魔物と人間のバランスが崩れたからね。後は人間がスキルを手にした中で、何のスキルが最強かを見るためよ」


「それは神でも分からないのですか?」

「スキルを使うのは人間だからこそ分からないわね。過去の人達も活躍した時代によってスキルも違うわよ。それを見て…、なんでもないわ」


「自身が考える最強のスキルを選ばないといけないのですか?」

「私達は知りたいだけで強制はしないわ。生きるのは貴方達だから支援系のスキルでもお金儲けのスキルでも何でもいいわよ」


「スキルは何でも想像して選べるのですか?」

「神が認めた物なら何でもいいわよ」



そう言うと目の前に透明のタブレットが現れた。


「そのタブレットにスキルを打ち込むとスキルが可能かどうかが分かるから試して見なさい」


早速皆はタブレットに打ち込んでいる。



今度は打ち込んだ者からの質問が相次ぐ。


「何故に強奪のスキルはダメなんだ?」

「あんたはバカなの?神の恩恵のスキルを奪えるはずないでしょ」



「四大魔法も選べないのですが?」

「スキルは一つって言ったわよね。4属性の魔法は使える訳ないでしょ。今回は無能の集団なの?」


本当に女神なのだろうか?

段々と女神の口調が荒くなっていく。


女神が呆れたことで、ここからの質問は1人3つまでと女神は言い出した。

周りに情報を与えたくないのか、質問は心の中で問うようにとのこと。


こうなってからは、打って変わって静寂だけの空間となる。

俺は周りの様子を見渡した後、タブレットに集中した。


まず初めに俺は異世界でどうしたいのかを考える。


最強のスキルを考え無双する?

テイムなどのスキルでモフモフを堪能する?

鍛冶や料理スキルで街の中で人生を謳歌する?

そもそも俺の幸せってなんだろう?


そう考えた瞬間に答えが見つかった。


幸せなんて各々で答えは変わるだろうが、俺は28歳の若さで死んだことで答えは一つだった。


結婚することもなく、仕事に明け暮れた日々を過ごす中、相手が居眠り運転で無慈悲に衝突事故で亡くなった俺は、幸せな家庭を築き長生きすることが幸せだと考えた。

仕事漬けの毎日で楽しむ余裕もなかったからこそ、次の人生は楽しみたない。


死を体験したことで分かることもある。そんな俺が違う場所でやり直せることに関しては感謝している。


魔物が蔓延る世界で生きることを優先させるとなると、自ずと強いスキルを望んでしまう。


それが将来家族を持つことを前提ならばなおの事。

そもそもスキルが優秀だとモテル可能性も上がるだろう。


こうして俺は神の望む強いスキルを考えるのであった。











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