第19話謎の半笑い・・・。

鯨先に聴いたそのまま解釈してブルーシートの有りかを教えたのだろう。


 1を為そうとすれば多大なる犠牲を伴う事を鯨先は己の我儘によって教えてくれた。

 今日も梅雨明け早々の高温多湿の空模様に為って会場は蒸し暑いのに皿とコップをヘルパーの佐々木さんから借りて酒盛りの態勢は整った。


 胡坐を掻いた膝裏が湿って気持ち悪いけど良く動く鯨先だと、感心していた。


 高校時代からオーディオのスピーカーにはうるさく、親父の目の前でイコライザの調整やスピーカーの調整をやって僕の部屋で音を聴く為に部屋の四隅をウロウロ歩いて音の調整を遣って退けた鯨先を観た親父が、「鯨先クンはよう動くな。イズコも鯨先クンを見習わないとイカンな・・・。」


と、イチイチ面倒臭いお説教を言い残して半笑いで部屋を出て行く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る