第18話

 ワールドイベント後からNFT星4の従魔と星5のキャラクターのステータスをゼロにして、要らない武器や防具にアクセサリーなどは適正価格よりちょい下げで売ってみた。


 ディスコードにめんどい方々が居るのでスルーしてDMもふざけた事を書いてくるヤツは名前を控えて法的な対応もしてみようかな?なんて考えたけど、地球の裏側の人に何を言っても変換が良く分からない文なので日本にだけ地域を絞って星5弱キャラクターをオークションしていく。


 まあ、90体のうち売れるのは30体位で、残りはストック出来るようになっていた。


 だいたい1000体までストック可能なので同じキャラクターでも厳選して大事にしとく。


 星4従魔は要らないので45体全てをオークションで売却してCHALINを稼いだ。相変わらずCHALINは暴騰してるみたいだけど星5キャラクターは全部で1億2千万ちょいCHALINとなり、星4従魔が2400万CHALINとなっていた。


 やはり星5キャラクターの値段は恐ろしい。


 取引所を通じて暴騰した1CHALIN17円を2000万CHALIN分3億4千万円現金化して、新しく作った大手のネット当座預金口座にぶち込んだ。


 表の舞が見たら挙動不審になるのは間違いないよねー。


 そして表の舞と交代。


 今日も元気だ紅茶が美味いって、そんな私がスマホを見て後悔したよ。


 だって、あんまし考えずにダウンロードしたゲームから大量の株や現金が通帳に入って来るんだよ?嬉しいよりも先に恐怖が襲ってくる。


 当座預金に3億円?何なんだろこれは。


 履歴はゲーム内キャラクターやアイテムの売買で既に30分掛けて過去ログを確認してるけど終わりそうにない。


 私は何時ものルーティン通りで会社に出社したけど顔色は化粧してても悪いと思われる位にはしんどい。


 夜中の私は何をやってるんだろうか?夢遊病?それにしては朝はしっかりすっきりと起きてるんだよなー、貯金は既に4億を超えてるんだけど税理士もかつてない依頼で右往左往してるらしい。


 だけど良かったのは現金と株式購入資金の税金を45%位?だか、33%引かれても持ち株全てと現金は数億は手元に残る事。


 あとは税理士さんにしっかり任せて一軒家を購入する事にした。


 節税の為には色々な対策を練るらしい。


 商店街の近くに良い住宅が有ったので契約して荷物を纏めるんだけど、ほとんどがリアナ大陸戦記の運営から届いた副賞であったりする。


 舞は新居でここ数週間に起こった事を整理する。


 本当はスプラトゥーンをやりたくて仕方ないけど、そこは我慢してスマホの履歴を見ていく。


 NFTゲームのリアナ大陸戦記は初期費用が要らないNFTゲームを自称しており、事前登録キャンペーンで3000回のフリーガチャをさせてくれる特典がついていた。


 ゲームリリースは夜の9時頃になっており、アプリを起動した瞬間に私は寝落ちしたっぽい。


 そこから履歴がおかしくなっていく。


 NFT星5キャラクターは1億分の1の確率で排出されるのに何故か10連ガチャで必ず1体当たりゲーム内トークンの仮想通貨CHALINも初期で30万手に入れてた。


 不正が出来ないのが一般的なブロックチェーンゲームでこの確率は異常の一言では収まらないと思う。


 そして私は1日1回か2回はリアナ大陸戦記にログインしてオートで手に入れた品を確認するだけ、ほとんどゲームに参加してないんだけど気持ち悪いDMや見るのも嫌になるディスコードでチートを疑われてるらしい。


 寝てる間に何かが起きてる?そう確信するのは割りと早かった。


 しかし、花咲舞は考えてみるが、これって普通に幸運じゃね?新しい家にアパート暮らしの両親と住めるんじゃね?上手くいけば大好きなじいじとばあばと住めるんじゃね?購入した家は地方の展示会してた建売新築一戸建てで、部屋数多めで大きな庭付き、車は3台までは余裕で停めれるし、近くに繁華街もある。


 これって私に利益しかなくね?舞は直ぐに両親に電話して一緒に一戸建ての家に住まないか聞いてみた。


 懸賞で当たったとポジティブな嘘をついてラインで家の外観と内部を送ると返事はマジで?だったけど、土地と建物の権利書の写しをラインで送ったら狂喜乱舞してアパートから引っ越す旨のラインが来た。


 とりあえず、そこそこ近所に住んでる両親はくたびれた中古の軽自動車で家に来た。


 内部を見て笑顔を浮かべて幸運を喜び、一緒に住んでくれる娘に感謝する。


 その後は直ぐにアパートは解約して新築暮らしを開始した。


 両親と私はアパート代を払わずに済む生活と母が作ってくれる料理を楽しめるようになったのだ。


 これは素直に嬉しいかもしんない。





 




 現実でいきなり億のお金が入ったら、普通は生活は派手になるのですが、宝くじと違って色々な税金を払わないといけないので株や現金の雑所得税を払うために舞は計算してお金を使います。


 貧乏性ですので建売一軒家を購入しても頭は回らないようですが、さっさと頭を切り替えてスプ○トゥーンを頑張ってみるのでした。


 しかし、途中からは舞のポジティブマインドが少しだけネガティブ思考になってきました。


 そりゃ、何もしてないのに毎日のように数百万から始まり数億の雑所得、自宅には豪華な景品が届き、購入された株は厳選された株主優待や配当重視で意味不明な状況です。


 普通に不気味ですよね。主人公はNFTブロックチェーンゲームの勝ち組になって莫大な利益を生む生活をポジティブに考えるようになりましたが、基本的に両親も地方の一般家庭でアパート代から解放され、舞自身もアパート代から解放されたので少しずつ普通預金通帳の残高が増えていきます。


 既に数億の雑所得を得ているのに質素極まりない主人公ですが高卒の頭ではラッキー程度の感覚しか有りません。


 ちなみにじいじとばあばは転居については暫く考えてから答えを出したいそうです。


 話は変わりますが、一度リリースされたNFTブロックチェーンゲームでは敵がナーフ(弱体化)され、味方がビーフアップ(強化)されるのは良いのですが、その逆はアウトです。


 出来なくはないのですがゲームの寿命を確実に縮めます。


 NFTゲームには運営とプレイヤーに上下関係は存在しません。


 新しいコンテンツを加えて利益を得ていくのが運営であり、各プレイヤーなのです。

 

 相互監視システムなのでチートはほぼほぼ有り得ないんですがオンとオフのシステムが有って不正が出来ちゃう事も有るそうです。


 あくまでも近未来の超巨大フィクション作品なので現実のNFTゲームとは異なる解釈となるのはあしからず。

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