【1300PV感謝!】 ヲシリが征く【少年期編】
そうじ職人
第1章 山門國の陰謀
第一話 プロローグと不思議な世界
俺は無意識のうちに、ワイシャツの
昨今の夏は暑過ぎる、まさに酷暑と言うべきか。
連日の強い日差しで、心身ともに疲労困憊だ。
「くぅう……
そろそろ
食事も大抵は、コンビニ弁当のローテーションだ。
特にこれといった趣味もないので、こうした熱波のような
これでもか! って程の強い日差しは、路面のアスファルトを溶かすように照らし付けていく。
路面はその激しい攻撃から身を守るかのように、浴び続ける熱を反射して、俺のスーツを焼き尽くすようだ。
(さすがに、それは言い過ぎか……)
俺は鞄からデオドラント効果入りの清涼感のある、使い捨てのボディシートを取り出すと、顔と首筋を念入りに
ついでに、スポーツドリンクを口に含んで
いつもながら営業の外回りは、この苦痛に耐え忍びながら、一体何と戦ってるんだ?っと
しかしながら本日ばかりは、いつもながらの平凡な日常とは一味違うのだ。
今まで積み上げた商談が、今回の訪問で契約にまとまるかも知れないからだ。
いつもよりも多くの資料や契約書、タブレットPCなどで、ずっしりと重い
アポイント先の会社も、もう直ぐそこだ、時間も十分にゆとりを持たせている。
再度自分に
「おやっ?」
気が付くと、周囲の気温が2~3℃は下がったかと思った。
ふっと空を見上げるとダークグレーに染まった雲が、突き刺すような日差しを
「
などと独り言ちていると。
ザザザザザザザザザザザザ……!
ババババババババババババ……!
急にシャワー……いや、まさに滝のような雨が路上を叩きつけ出した。
慌てて手に持っていたジャケットで鞄を包み、
「ふぅー、ひとまず鞄や中の書類は大丈夫そうだな」
全身水浸しだが大事な書類は死守できたと、ホッと胸を
眼前の風景一面が真っ白に包まれた。
それが光なんだ!と気付くとともに視界が奪われていく。
直後に。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリ……!
ゴゴ――ン!!
頭上で何かが爆発したかのような、衝撃音が響いてきた。
耳でというよりは、まさに
(あぁ、そうだ落雷の際には、高い樹に近づくのは大変危険だ)
何かが焦げるような匂いが、嫌な予感と共に
(確か高い樹からは、少なくとも周囲5~6mは距離をとるべきだった)
死の瞬間には、
ただ意識がブラックアウトしていく感覚が、これが『死』の
俺の手からはスマホが、カラカラと音を立てて、回転しながら
どこか遠くから、俺に向かって呼びかけるような声が聞こえた気がした。
「はい、
俺は漆黒の闇に包まれていった
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
ふっと意識が
(確か取引先との商談に向かう途中で……そうだ、急にゲリラ
俺は深く記憶を探ってみた。
(急に目の前が真っ白な光に包まれ……落雷に
長く眠っていた後のような、茫洋とした意識のままに静かに目を開いた。
「見知らぬ天井だ」
一度は口にしてみたいセリフを、掠れた喉の奥でぼそりと
意識が少しづつ判然とし始めてくるとともに、その五感に飛び込んでくる情報が全く理解できなかった。
白く
想像以上に高い天井の手前には、朱色に塗り込まれ飾りの付いた小さな
(いや、見覚えが全くない訳ではないかな?)
ちょっと期待していた西洋に有るような、貴族屋敷に
周りに
そして、ヲワン……ヲワン……ヲワン……と耳に響く、
????????……
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