第24話 朝、DIOと〇〇〇
「うおおーーーん」
朝。俺は目覚めた。
ベッドの上だ。服をはだけさせたカエデを――どういうわけだろう――組み敷いている。
「コ、コウ……?」
眉を寄せて困惑するカエデ。しかし俺の視線はその大きめなおっぱいにしか向かない。
気付けば、揉んでいた。
なんて柔らかいのか。沈み込むような包容力と指を弾き返すような若々しい弾力がある。俺は夢中でおっぱいを揉んだ。
「ちょ、ダメ、コウ……朝からこんなのっ」
白い頬が火照りだす。だめと言いつつも本心では嫌がってないのが分かる。
どういうわけか、俺は止まれなかった。
獣みたいに息を荒くして、カエデの首筋に吸い付く。浮き出た鎖骨を甘噛みしてシミ一つない肌を舐め回す。
ああ、セックスしたい。
この幼馴染を思い切り抱きしめたい。裸同士になって肌をこすり合わせたい。愛を伝え合いたい。精を吐き出したい。
「コウッ、なんかおかしいッ! いったん止まって!」
関係ない。少しの抵抗さえもスパイスだ。
両腕を押さえつければカエデは何もできなくなった。俺のムスコはみるみる膨らんでいきズボンを押し上げる。
ぐいぐいとカエデのスカートに押し当てる。擦れ合う感触が気持ちいい。
「待って…… かったい…… こんな硬いの? それに大きすぎる……ムリムリムリ」
カエデは首を横に振るが、ムリなわけはない。スカートをまくり上げれば白くてエロいパンティが姿を見せてくれた。なんて神々しい。
一瞬目を奪われた俺、その下でカエデがはっと息を呑んだ。
「催眠……? ――シオン、助けてっ!」
バタバタと階段を駆け上がってくる音がする。もう一匹の獲物もやってきたようだ。二匹まとめて食い散らかしてやる。
「セックス…… セックス…… セックス…… セックス…… セックス……」
まずはカエデだ。
このエロいパンツを脱がせてやる。白い布地に手をかけたその時。
バタン!と扉が開かれた。
シオンだ。その視線は俺の股間に吸い込まれる。
「オゥ…… ベリー、ビッグ……」
二匹のメスの甘い香りが混じり合って俺の興奮を煽りに煽る。
犯してやる。犯してやる。犯してやる。犯してやる。犯してやる。犯してやる。犯してやる。犯してやる。犯してやる。
もう何も考えられない。
チンコが破裂しそうなほど腫れ上がっている。どうにかしないと!
この女の中に突っ込んで、ぐずぐずになるまで愛を吐き出してやる!
その瞬間。
"あの感覚"がやってきた。
熱狂に冷水を浴びせられたような、映画のクライマックスだけスキップされたような。
時間停止だ。
今回は違和感を探すまでもなかった。
カエデを押し倒していたはずの俺は仰向けに寝転がっていた。思考がクリアになっている。体を突き動かす性衝動も消えてなくなっていた。
ぼんやりとした視界で天井を眺める。
チンコは小さくなっていた。
ああ、俺はとても冷静だ。
そのうえ、とっても満足している。男としての使命を果たしたような達成感に満たされている。
何があったのか。明らかだった。
俺は射精したのだ。
正確には、射精させられた。DIOによって。DIOが荒ぶる俺の性欲を鎮めてくれた。
ああ、それにしても、なんと心地いいのだろう。俺は女にヌイてもらったのだ。見てはいなくても、体にはその愛と温もりが残っている。DIOは優しく搾り取ってくれた。
「助かったぜ…… DIO……」
左右から心配そうな声や戸惑う声が聞こえてくる。でもなんかどうでもいい。
ちょっとねよ。
目を閉じた。睡魔が襲ってくる。俺は射精の後は眠くなるタイプなのだ。
「おやすみ……」
▼△▼
気がついたら授業中だった。
国語の授業だ。おじいちゃん先生が優しい声で古典を朗読している。
頭を振って眠気を振り払う。俺は朝に弱すぎるせいでこういうことがよくある。寝ぼけたまま学校に来て一限くらいでようやく覚醒するみたいなことが。
それにしても……朝の一件は夢だったのだろうか。夢にしてはリアルだったが。
右をちらりと見てみる。カエデと目が合った。少し怒ったような顔をしている。
左をちらり。シオンが恥ずかしそうに笑いかけてくる。
二人の反応で確信した。あれは夢ではない。現実に起こってしまったことなのだ。
カエデを力ずくで犯そうとし、ついでにシオンまで頂こうとしてしまった。
間違いない。催眠のせいだ。
俺は健全なる男子高校生であるが、理性のないエロ猿ではない。カエデやシオンを思いやれないほどのクソゴミ野郎ではないのだ。
性欲を増幅させる催眠、だろうか。まったく最高にめんどうな催眠である。俺はどんな小さなエロでも興奮できる、興奮してしまうのだ。男子高校生ってそんなもんだろ。
だが俺には――DIOがいる。
俺を何度も救ってくれ、たまにイタズラもしてくる時間停止能力者。
DIOがいる限りまた鎮めてくれるはずだ。そのDIOはカエデかシオンのはず。だが……どちらがDIOだ?
「なんで教えてくれない……」
俺はごほんとわざとらしく咳払いをして、白紙のノートに大きく書き込む。
――今朝は助かった、DIO。
すぐに"あの感覚"がやってくる。やはり、ノートには文字が増えていた。DIOは止まった時間の中で書き込んだのだ。
――どういたしまして。驚いたよ、突然お猿さんになったから。
――催眠のせいだ。
――ならしょうがないね。
今なら催眠のせいにすれば何でも許してくれそうだ。あとでしっかりセクハラを決めておこう。
――結局どっちなんだ。なぜ名乗ってくれない。
――ぜんぶ秘密。そもそもカエデでもシオンでもないかもね。
現れでた文字の前で俺は首を捻った。そんなはずはない。三人きりの場面で何度も時間停止が行われているのだ。
カエデでもシオンでもない時間停止能力者がいるというのであれば、そいつはどこからかずっと俺を監視しているということになる。そんなのは――神にしかできない芸当だ。
DIO、お前はいったいどっちだ?
前の席の女の透けてるブラを観察しながら考える。カエデか、シオンか。DIOは決定的な状況では能力を使わない。俺にバレないためだろう。
それにしても今日はピンクか。派手なのをつけてるな。
肩口から濃い桃色の紐が覗いている。なんだかエッチ。日々の生活を彩るチラリズムってやつだ。まじまじと見る。俺に美術の心得があったらスケッチしたいほどだ。
少し興奮してきた。血が下腹部に集中していく。
腕が震える。ブラジャーにしか意識がいかない。きっと俺の目は血走っている。
ブラジャーをもっと見たい。生で見たい。触りたい。剥ぎ取りたい。嗅いでみたい。ブラジャーブラジャーブラジャーブラジャーブラジャーブラジャーブラジャーブラジャー…………
「うううううおおおおおお!!!」
俺は弾かれるように立ち上がった。ムスコはビンビンのビンである。
両腕を伸ばし、前の席の女に掴み掛かろうとする。指が触れる直前――
“あの感覚”。時間停止だ。
俺は大人しく椅子に座っていた。衝動は消えている。またDIOに助けられたようだ。
クラスのみなも不思議そうに目を擦りながら俺を見た。だが俺にだって説明できないんだ。こっちを見るんじゃねえ。俺は今――最高の時間に浸ってるんだ。
やはりDIOの奉仕は至高だ。
全身に愛を感じる。愛されているのだと感じてしまう。
小さくなったムスコは綺麗に拭き取られ、パンツもズボンも綺麗に穿かされている。唇には濃厚なキスの感触があった。そして手の中には柔らかな女体の手触り。
DIOは決して事務的ではない。時間停止中の俺は能動的でなく、人形を相手にしているようだろうが、それでも丁寧かつ情熱的に接してくれている。
たった今この瞬間、俺は世界で一番幸福な男だ。
「好きだ……DIO……」
俺ってなんて単純な男。それでも、余韻だけで惚れてしまうほどに、DIOの行為は魅力的だった。
願わくば、俺も奉仕させてくれ。愛を伝えたい。受け取るだけでなく。
俺はまだ震えの残る腕で鉛筆を持ち上げてノートに書き込んだ。
――愛してるぜ、結婚しよう。
返事はすぐ。
――はいはい。愛してるよ。
カエデを見た。背筋を伸ばして授業を聞いている。
シオンを見た。頬杖をつき目がとろんとして、居眠りしそうになっている。
どっちだ。どっちがDIOだ。
とにかく……寝よう。眠たくなってきた。射精のあとは寝なくちゃ。
目を閉じる。
するとまた”あの感覚”があって、優しく頭を撫でられたようだった。甘い匂いもする。抱きしめてくれたのだろう。それからキスも。
どうやらDIOはキス魔らしい。
彼女の愛を感じながら俺は眠った。
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