第14話

当然のことながら


アカネは

未来の話も聞きたがった。


僕は2010年までの

未来の話をし、


アカネは

楽しそう訊いていた。


「もし、大ちゃんが

タイムスリップして

戻ってきた場所が、


今よりずっと先の過去

だったらどうしたの?」


思いついたように

アカネが言った。


「そしたら、

アカネが生まれてくる日まで

待ってるさ」


冗談じゃなかった。


きっと

そうしていたに違いない。


「そうじゃなくて

ずっとずっと過去よ」


「それなら何度だって

生まれ変わってお前を待つさ」


アカネのみるみる

顔が真っ赤に熟していく。


「いつからそんなに

ロマンチストになったのよ?」



「それは多分、


アカネに

もう一度出逢ってからだ」

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