第75話

クリスマス当日の夕方


夕方とはいえ冬の夕方はもう真っ暗だった


『さみぃ…』


成也はマフラーを鼻の上まで巻いてバイクにまたがった


成也が向かう先は小さなジュエリーショップ


この日のために先輩の紹介で建築のバイトをさせてもらっていた


正直一人でジュエリーショップに入るなんてカナリ恥ずかしかった



「何かお探しですか?」


ガラスケースを見ていると店員が声をかけてきた


『あ~はい…彼女に…』


「彼女さんですかぁ!

でしたらこちらはどうですか?」


店員が指差していたのは球体にキラキラとしたストーンが埋め込まれている物だった


「とても可愛いくて人気なんですよ」



結構可愛いし…

いいかな…


『じゃぁそれで…』


「ありがとうございます!では今包みますのでお待ち下さいね」


『あっ包まなくていいです!』


…箱なんてあっても邪魔なだけだし


「そうですか?」



それをポケットにしまうと成也は晴奈にメールを送った

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