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わがそのの

第1話

彼の元へ、走る。

冷たい風に髪が攫われる。

手が震える。

でも、寒い訳じゃない。

これはきっと――――、





「呉月くん、」





震える声で名前を呼んで。

私たちは、お互いに、手を振った。








「呉月くん、”あの和歌”の意味って――――…。」





( 気づけなかった、私は馬鹿だ )

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