Evergreen

花言葉を作る仕事は

刑期を三日ずつ減らしていく

美しいものばかりとは限らない

とても毒々しくて

ほくそ笑む花びらに

全てを終わらせてもらいたい時もある


だから私は緑を求める

決して越えられない境界の向こう

生命は常に過剰だ

咲くことも散ることもない

草木の普段着を

どうして人は纏っていないのだろう


例えばあの山が噴火して

空が灰色になったとしても

私は見つめ続けている

目に焼き付いた緑は

失われないだろうから

永遠に光は反射する


列車が一本通り過ぎて

新しい種を落としていく

花が咲くまでに

かんざしを見つけてやらねばならない

咲かねばいいのに

咲かねばいいのに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る