その驚きの成長速度に、俺もメセタも目を丸くして畑を見つめる。朝に耕したばかりの畑から、芽が次々と顔を出しているのは、どう考えても異常だ。しかし、今の俺にはこの不思議な力がある。それが影響しているのかもしれない。

「うーん……ま、何にせよ実がつけば収穫もできるし、それはそれでありがたいことだよな」と俺は楽観的に考えることにした。

「我が君、明日はさらに大きな樹木を植えるおつもりですか？」とメセタが興味津々で尋ねる。

「ああ、果物の木とか植えれば、さらにいろいろと楽しめるかなと思ってな」と答えると、メセタは嬉しそうに頷いた。

「果物ができたら、わたしたちで一緒に収穫して、美味しいものを作りましょう！」

「そうだな、果物が実ったら何か作ってみようか」

その後、倉庫の中も改めて確認した。畑道具が整然と並んでいて、さっきの雨で少し湿った感じがするが、中はきれいだし、明かりもちゃんと点いている。何か不足しているものがあれば、また願えば良い。

「さて、今日はこのくらいにしておくか。明日の準備もあるしな」

メセタも満足げに頷いて、俺たちは家に戻ることにした。夕方が近づいて、あたりは少し涼しくなってきた。窓からは、雨上がりの清々しい風が流れ込んできて、家の中が心地よい空気で満たされている。

リビングに戻って、ふと時計を見ると、まだ夕食には少し早い時間だ。俺はソファに腰を下ろし、少し休むことにした。

「我が君、今日はゆっくり休んでくださいね」とメセタが優しく声をかける。俺は軽く笑いながら答えた。「ああ、今日は頑張ったからな。明日も色々やることがあるし、少し休むか」

メセタはそのまま俺の隣に座り、静かに過ごす。家の中は穏やかで、外の風が窓辺のカーテンを少し揺らす音だけが聞こえていた。

「明日は果物の木を植えて、また新しい発見があるかもな」と心の中で楽しみを感じながら、俺は少しずつ眠気を感じ始めていた。

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