朝食を終え、俺とメセタは満足した顔でテーブルを片付ける。異世界でもこうして普通の朝食ができるのは、なんだか不思議でありがたいものだ。食べ物がいくらでも出てくる能力も便利だけど、こうして自分で調理して味わうことで、また一段と旨さが増す気がする。

「さて、今日は何をしようかな」と俺が呟くと、メセタが興奮した表情で提案してくる。「我が君、昨日の畑を使って何か育ててみませんか？」

確かに、昨日願っただけで畑ができたんだし、せっかくだから何か植えてみるのも面白いかもしれない。

「いいな、それやってみよう。じゃあ、何か種を探してみるか」そう言って、俺は「種…そうだな、野菜とか果物の種があればいいか」と心の中で願う。すると、ぽんっという音と共に、テーブルの上にいろんな種が並んでいるのが見える。

「おお、これは……いろんな種があるじゃないか！」トマト、きゅうり、ナス、さらにスイカやメロンなんかの種もある。「どれから始めるか悩むな……」

「どれも面白そうですが、まずはトマトから育ててみませんか？初心者には育てやすいと聞いたことがあります」とメセタが提案する。

「いいね、じゃあトマトから始めよう！」俺たちは倉庫から道具を取り出して、畑に向かう。トマトの種を丁寧に土に植え、水をまく。

「これでしばらく待てば芽が出るはずだな……」と俺が言いかけた瞬間、ぽんっという音がして、目の前にすでに小さな芽が顔を出していた。

「早すぎるだろ！」驚いた俺に、メセタも大きく目を見開いて、「やはり我が君の力は凄まじい……これでトマトもすぐに収穫できそうです！」と感激している。

「いやいや、これじゃあ育てる楽しみが……」と思いつつも、あっという間に成長するトマトの苗を見ていると、なんだか達成感も感じる。

「ま、いっか。次は他の野菜も植えてみようか」と俺は笑いながら、他の種も手に取り、次々と畑に植えていった。

こうして、俺たちの異世界生活はどんどん便利になりつつ、楽しさも増していくのだった。

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