魚の内臓をきれいに取り除いた俺は、魚を流水でしっかり洗う。

ぬめりを取り除いたら、次は三枚おろしにする。まず背中に沿って包丁を入れ、頭の方から尾に向けて丁寧に骨を外していく。

この関の包丁、切れ味が抜群だ。まるでバターを切るような滑らかさで魚がスッと捌ける。

「いい包丁だな。これで他の料理も楽々作れそうだ」

綺麗に三枚におろしたやまめを見つめながら、俺はそう呟いた。

そして次に取りかかるのは、やまめの塩焼きだ。調理はシンプルでいい。

塩を適度に振りかけ、皮がカリッとなるように焼くだけだ。外はカリッと、中はふんわりとした焼き上がりが理想だ。

竈門を使うのは初めてだが、薪に火をつけておけば自動で温度調節してくれるらしい。

これもまた俺の「簡単操作」という願いが反映されているようだ。火加減に気を使うことなく、じっくりと焼き上げられるのを待つことができる。

「この調子で肉も焼いてみるか」

冷蔵庫から牛肉を取り出し、軽く塩コショウで下味をつける。

焼き加減はミディアムレアにしようと決め、次は竈門のグリルで肉を焼いていく。

ジュウジュウと音を立てる肉の香ばしい匂いが家中に広がる。

「これが異世界の力ってやつか……便利すぎるだろ」

俺は感心しながら、焼きあがる肉と魚を見守る。そして、料理が完成したらテーブルに並べ、いよいよ食事の時間だ。

温かい湯気を立てる肉と香ばしく焼けたやまめの塩焼き。異世界に飛ばされて最初の食事とは思えないほど豪華だ。

「いただきます！」

俺は手を合わせて食事を始めた。

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