怪人十面相〜ロールプレイ好きと行く学園生活〜〜

あまりゅう

プロローグ

50年前、

海上に3つの大穴が空いた。

大穴からは魔獣が這い出て、世界中をパニックに陥れた。


その頃からだろう。

超常の力を持った子供が産まれ始めたのは─────。

超常の力、異能を持った子供たちは大穴の周りに集められた。そしてできたのが異能力者たちの学園郡。人類の防波堤であり、異能力者の監獄。それが学園島と呼ばれるものだった。



薄暗い部屋にその男はいた。

髪はボサボサで目の周りには隈が浮かんでいる。身に纏っている白衣だけが僅かながら清潔感を感じさせた。


しかし、その瞳の奥はギラギラと光り、大きく吊り上がった口角は男の歓喜と呼べる感情を表していた。


「ハハハ、ついに・・・成功だ!」


男は研究者だ。

そして男の、いや研究所の集大成と言うべき存在が完成したのだ。

それは男の目の前にあるカプセルの中にある。中を液体で満たされた巨大なカプセル。そして中央には人型の何か。

そいつの瞳はまるで観察しているかのように男の姿がはっきりと写っていた・・・。



7つの魂をひとつの身体に詰め込まれたバケモノが現世に降り立つ。

そいつがもたらすのは希望か、絶望か。どちらにしても大きな変革を起こすことは確実。そう義務付けられているのだから────。

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