腹痛

 芽依との生活が始まりとても忙しくも、楽しい毎日を送っている。

 

 

 芽依の顔色は、とても良く今のところはまったく問題ないようにオレには思える。

 

 

 しかし…

 

 同棲が始まって三日がすぎた頃、芽依が目がしんどいし…お腹が痛いとお腹をさすり、ソファに横になった。

 

 

 そして、頭痛もするといい薬を飲んでいた。

 

 

「芽依!大丈夫?あったかい毛布だよ。」

 

 そっと芽依に毛布をかけると、か細い声でありがとう。と、聞こえた。

 

 

 話すのもやっとなようだ。

 

 

 薬を飲んだ芽依は、そのまま眠ってしまった。

 

 

 芽依…

 

 どうしよう…

 

 とりあえず薬を飲んで落ち着いてきたみたいだけど…

 

 でもさ、このままどんどん悪化していっちゃったりするのかな…

 

 昨日まで全然元気っぽかったのに…

 

 

 …お願いします。

 どうか、どうか芽依が元気になりますように。

 

 芽依…芽依…がんばれ‼︎

 

「神様…どうか芽依をお助けください。」

 

 目をつぶり、両手を合わせて拝んだ。

 

 

 神さまがどこにいるかわからないから、とりあえず空のほうにいると勝手に信じてとにかく念じた。

 

 

「お願いします…どうか神様…芽依をお助けください。まだこのまま一緒にいさせてください。連れていかないでください」

 

 と。

 

 すると…

 

「ぷっ、あははッ」

 と、笑い声がした。

 ⁉︎

 

 芽依⁉︎

 

 

 起きたのか⁉︎

 

 笑ってる?

 いや、それとも苦しんでいるのかっ⁉︎

 

 

「芽依‼︎」

 

 慌てて芽依に駆け寄った。

 

 

「ふふっ、あははっ」

 

 芽依…

 

 慌てて顔を覗き込むと、芽依が爆笑していた。

 

 

「芽依…どうした?面白い夢でもみた?」

 

「ううん、だってさとるがただの生理で…そ、そんなっ、ククッ…かっ、神さまにお願いするとかって、ありがとうだけど、でもっ、ククッ。さとるってそんなに心配しょうだったかなって。そもそも生理なんて毎月くるのに、そんな心配されたら…ね?」

 と、大笑いのあとに呆れ笑いされてしまった。

 

 

 あー…

 

 

「生理かー。よかったー。てか、そんな月一でお腹痛くなったり、頭痛くなったりってしんどいな。やっぱり笑い事じゃないぞ?芽依、生理は立派な体調不良なんだ。でもっ…でもさ、今回の腹痛が生理でよかったよ。オレマジで心配したんだから。無理禁物ね!」

 なんて言いながら少し涙ぐんでしまった。

 

 ヤバい…

 

 芽依が弱音吐かないで頑張っているのに、このオレが先に弱音はいたら…芽依が一番辛いのに…

 

「ごめん…芽依。オレ…ちょっとトイレ」

 

 慌てて涙目を誤魔化した。

 

 そして、洗面所で顔を洗い流した。

 

 

 

 トイレから戻ると、芽依はソファでボーっとしていた。

 

 

 芽依…

 

 

「さーてと、今夜はめっちゃ美味しいハンバーグ作るから楽しみにしててよ?」

「えっ、でも今日はわたしが…」

 

「芽依は、ゆっくりしてて!ほら、寝て寝てー」

 と、横になってもらった。

 

 

「ありがとう。」

「どういたしまして」

 

「「ふふ」」

 

 チュ〜♡

 

 オレたちは、こうして助け合ってイチャイチャしたりもするのでありました。

 

 

 芽依の腹痛は、二日くらいで治った。

 

 かと思ったら、その三日後また腹痛におそわれていた。

 

 

 …

 

 生理前と生理終わりかけってそんなにしんどいのか…

 

 

 今まで全然知らなかった。

 

 

 芽依は、いつも一緒にいたけど普通にみえてたことが、実は我慢していたのかもしれないって、改めて思った。

 

 やっぱり病気も辛いんじゃないかな… 

 

 相当我慢しているのかもしれないと思うと、芽依がとっても愛おしくて、その日は何度も芽依を抱きしめた。

 

 

 続く。

 

 

 

 

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