空いた席。

ある日僕は電車の中。


2号車の3番ドアの近くの席に座っていた。


目の前に一人のおじいさんが乗ってきた。


急いで立ち上がり、


「どうぞ。」


と席を譲った。


「大丈夫。」


と怪訝そうにことわられた。


そのあとは、僕はその席に座ることができなかったので、


空いたまんまだったらしい。


僕が降りる駅の一つ前、二人の女子高校がのってきて、


一つだけの空いた席を、ゆずりあって笑っていた。

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