とある国の

@kyodenmoti

とある国の 序章 夢の兆しと変わる思い

第一話 とある国

 ここはどこか遠い遠い、とある国。


島が5つほど合わさった、とある国。


その歴史は長く、人口も多い。また産業、貿易ともに盛んな、とある国。




 とある国には、とある人物がいました。


「私はこの国に生まれたということについて、極めて誇らしく感じます。」と彼は言います。彼は五十六寸ほどの身体をしており、その正体や生い立ちについて彼自身も認知できていない。また、そのことについて追求しようとは考えていませんでした。




 なんでもないようなとある日、一枚の新聞が彼のもとへ、風に乗って飛んできました。この新聞は、ルトアルド新聞というルトアルド刊行社の刊行物である。この国では、絶えず発生する情報を多くの民に知らせるための重要な情報源となっている。とある人物は風に乗ってきたルトアルド新聞を読み始めた。


「本日はどのような情報が得られるでしょうか。」第11号の見出し記事を見ると、「とある国…半分の王が奴隷制度を検討」と書かれていた。


「国民を奴隷にするなどという行為は極めて悪である。」と、とある人物は言いました。彼の中で、この国の王に成り代わらなければならないと強く感じ、そのための行動を始めました。




 とある国はとても恵まれた国です。この国には、深く深く張り巡らされた『文化の根』と呼ばれる植物が生きています。この国の文化は、この根とともに成長した者や物のことを意味しています。そのため、とある国にある造形物だけでなく、人々が持つ感情や技術といった無形の物までもが文化であるということになります。この国に生きる女男は、会話をせずとも相手の感情を読み取ることができる。この能力によって、得られた情報を音や色や形に変えていくことができる。しかしながら近年では、その能力を理解するものが減っており、文化は衰退の一途を辿っています。

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