学園の謎を追っていたら、女校長のパンツを見てしまった話
志田凛
Episode 1 依頼
暗闇の中、理事長室の前に到着した。
本当にここにブローカーの言っていたリストはあるのだろうか。
理事長室の扉を開けて、パソコンを開く。
「あった…。次期校長候補リスト…。」
次期校長候補リスト 有力順
1.影山先生
2.亮先生
…
「くっそ…。なんでだよ…。」
――――――――――――――――――
「やっほ。悠介。」
「あぁ美波ぃ。おはよー。髪変えた?」
「嘘。気づいた?」
「当たり前だろうよ。」
「もーさすが悠介。4年も私の隣にいるだけあるわぁ。」
俺は石岡悠介。
彼女は北野美波。
僕らが知り合ったのは5年前の謎解き脱出ゲームのときかな。
全く知らない4人で謎解きゲームをするというイベント。
初対面なのに、最高のコンビネーションで、優勝しちゃった。
それから4人はずっと一緒。
高校では一緒の学校に通うことにした。
俺と美波が付き合って、後の2人も付き合っている。
それがあそこにいる…。
「ねぇ大星。おはようのチューは…?」
「恥ずかしいだろ。絵梨香と2人きりの時にいっぱいしてあげるからさ。」
「いやいや。2人きりの時はもっとエッチな事したいの。今はチューで我慢してあげてるでしょ。」
「そういう問題じゃないんだが…。」
岡崎大星と南部絵梨香。
俺たちも相当なバカップルという自負はあるが、こいつらのせいで霞む。
すごく霞む。
俺たちももっともっとラブラブして学校でヤっちゃいたいぐらいなんだもの。
うんうん。
まあいいや。
僕たちは毎回週末になると、必ず謎解きイベントに参加する。
イベントがない時は自分たちだけでやる。
それぐらい謎解きに依存してしまっている。
***
昼休み、先週のイベントの反省と今週の作戦を立てていると、
「よお。」
「なんだよ加賀。」
「最近は5人用の謎解きイベントないのか?」
「ねえから誘ってねえんだろ。」
こいつは加賀。人数が足りない時に呼ぶ。
人数合わせ要員。
でもごく稀に頼りになる。
稀にね、ほんとに。
「まあまあ5人で飯でも食いながら話そうや。」
「なんだお前。」
「加賀くんなんかいつもよりウキウキしてるけど、どうしたの。」
確かに、いつもよりなんかノリノリ。だけどなんか寂しそう。
「あちゃーバレちゃったかー。」
「加賀くんいつもよりキモーい。」
うん確かにキモい。
「うるせえ絵梨香。朝からエッチしたいとか言ってる方がキモいわ。そんなの2人きりの時に話しておけよ。」
「はあ?本当のこといっただけだしー。なんなら今からエッチしてやろうか?」
「公共の場!場所を考えろよ?」
「黙れぼっち。」
「なんだと?」
だんだん収集がつかなくなったので俺が口を挟んだ。
「うるせえうるせえうるせえ。で、何が言いたいんだ俺らに。加賀は。」
「いやー面白い情報を持ってきたんですよー。わくわく。」
なんだこいつ。
「君らってさ、石岡探偵団でしょ。探偵団ぽいことしてなくない?」
「いやいや、名前なだけだから。いいでしょ探偵団してなくても。」
「だからね。依頼を持ってきましたー。」
話通じねえなあこいつ。めんどくせえから一応聞いたろ。
「この学校には不思議な空間があるんですよ。各階にね。」
「各階にあるなら、柱なんじゃねえの?」
「そう思うでしょ?でもね、1階と2階にはないですよ。」
「で?」
「そこには階段があって、生徒の入れない屋上の小屋に繋がる階段があるんじゃないかって話。」
俺。あんま興味ねえなぁ。てか小屋なんてあったっけ?
「でだ、その階段について調査した生徒がみんな自殺してるの。変じゃね?」
「なんだそれ。こわ。」
「その情報本当なの?」
「まあ毎年何故か自殺者がいるって話は聞いたことがあるかも。」
そういえば今年も一個上の先輩の代で自殺した人が居たなあ。
愛菜先輩だっけ。よく謎解き会場にいたなあ。
「ニュースになってないじゃん。」
「そんな自殺した人みんなニュースにしてたら夕方のニュース自殺情報だらけだぞ。」
「でも学校だよ?いじめーとかかもしれないじゃん。」
「じゃあ誰かが口どめしてるかもな。誰かが殺して。」
「なんでいきなり誰かが殺したことにしたの?」
「なんとなく。」
「なんとなくで殺すなよ。」
俺は殺してないよ。うん。
なんか勘違いしているか、日本語の使い方が間違ってるね。うん。
あれ?俺が間違ってる?
「ということで、君たちにこの事件を捜査してもらおうと思って。」
「はあ?やだよ。」
「もう2度と犠牲者を出さないために、やってくれよ。」
俺がなんでだよと言いかけたその時。
「もちろんやりましょう。石岡探偵団がなんとかして見せましょう。ほら3人も。」
なぁに言ってんだあ絵梨香ぁ。
「そうだな。俺たちで解決するぜえ。」
「私も参加する。」
なんでノリノリなんだよ…。
「悠介は?」
「文化祭の実行委員やりたい。」
「そんなの理由にならない。」
「文化祭の実行委員と探偵の両立している人いたよ。」
「聞いたことないよ。そんなやつ。」
「愛菜先輩。」
「死んだじゃん。なんて不謹慎なツッコミなんだよ。そんなのさせんな。」
てか、愛菜先輩も調べてたんだ。
「で、やるの?」
「わーかったよ。やるよ。」
俺はこいつらに根負けしてしまった。
ただ負けたままも腹立つので、
「文化祭の実行委員はやらせろ。」
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