第134話

人は、きれいな部分だけでは無い。


そういう、ありきたりな台詞がある。


肉体的な醜さよりも、私は精神的な醜さを思う。


どんな優しいつもりの言葉をかけたって、酔えば自分の欲望のことしか言わない。


今の私がそうだ。


それを優しく受け止めてくれる、理想の女性がいたとしても、毎回こうでは、堪忍袋の緒が切れるだろう。


私の勝手な思い。

しかも酔って吐き出す想い。




これは卑怯だ。




本当にユキを大切に思うなら、酒など飲まず、自分を鍛えて、静かな心で、正直な気持ちを伝えるのが、本当の責任だ。



私は狡いのだ。



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