第86話

私とて、何かを書く者のはしくれだ。

文学には興味は無いが、ユキに対する自分の心の動きを、大人としてしっかり見極めるため、ボードレールの『恋愛論』に目を通す。


古典であり翻訳は古風で難解だが、思い当たることが数々ある。


そんな中、私を気遣って、ユキがたびたびメールをくれる。

とても明るい言葉が届く。


ごめんね、ユキ

気を遣わせて。


でも

ありがとう!

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