第28話

ひとをしあわせにするって

ほんとうに、むつかしいことだと、おもう




私はユキの自然で優しい『声』で幸せになった。




ユキは、私程度の安っぽい、普通の言葉で幸せになれるほど

平凡な女性ではない。



ユキは特別だ。


特別ではない私が、ユキと過ごせたのは

惨めな歳月を過ごしてきた、私の最期のしあわせなのだ。

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