第25話 もう流出させるしかねえよな


『トーヤさん、大丈夫ですか?』


 トーヤがダンジョン協会から出ると携帯の呼び出し音が鳴り、出ると最近預かりになったホストの声が聞こえた。


「大丈夫だけど。どうしたの君?」


『いやトーヤさんの帰りが遅いからどうしたもんかと。今日配信じゃないですよね』


「そうだね。今日はちょっと来る日を見据えてモンスターの選定をしてたんだよ」


『本当にやるつもりだったんですか? ダンジョンのモンスターを地上に流出させてそれをホストたちで鎮圧するなんて大それたこと』


「そうだよ。それくらいしないとホストのイメージは回復しないしな。今日は参ったよ。モンスター観にくるだけのはずだったのに、未探索エリア発見して危うくなんの準備も無しに、ボトムボム使ってモンスターを地上に流出させることになりかけた」


『まだ何の準備もないのにダンジョン発掘物の爆弾持ってるんすか?』


「店長として言わせてもらうけど、大事なものは常に手元に持っておいて方がいいんだよ。まあとりあえず俺は大丈夫だから普通に働いといてよ。じゃ」


 トーヤは電話切るとまた他のダンジョンに向けて進路を取り始めた。


    ───


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