「助かったわ｡俺はホストダンジョンチューバーのトーヤ」

　ホストダンジョンチューバー？

　ホストなのか、ダンジョン配信者なのかどっちかわからない人だ｡

　・助けたやつがホストで草

　・混ぜるな危険で草

　・乗るなお兄ちゃん！

　・兄パン不可避で草

「は？　俺今からこの人に殴られんの？　ゴブリンあんな風になってるのに俺死ぬでしょ！」

「別にホストだからっていきなり殴るつもりはない｡俺が殴るのは家族に危害を加える人間だけだ」

　ホスト──トーヤがおっかなびっくりに見てくるのでコメントを否定しておく｡

　別に俺はホストの人間に対してはこれと言って何かしらの恨みは持っていない｡

　恨んでいる人間がもつ属性まで嫌悪したらキリがないし、よりにもよって恨んでいる相手にそこまでの労力を働かせたいと思わない。

　いつ死ぬかわからない自分の時間はできるだけ家族のために使いたい。

「それよりもダンジョン協会に報告した方がいいだろ。どうするんだ、ミカ？」

「流石にこれで報告しに行かないわけもいかないよね。こんなのに突っ込んでいくなんてリスナーがハラハラどころじゃすまなさそうだし」

　・流石にこれは無理だわ

　・お兄ちゃんは大丈夫そうだけどミカたそが死ぬ

　・人間には無理

　・あの状況でも余裕のお兄とは一体？

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