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 ……、うわ、と若竹姫は声に出さないように(大きな目をさらに丸く大きくしながら)心の中でそう思った。

 その星空は本当に美しかった。

 今まで見上げたどんな星空よりも美しかった。(今まで鳥の巣で見てきたどの星空よりも綺麗だった。まるで夜空に砂のように散らばった無数の星がひとつひとつ、宝石のようにきらきらと輝いて見えた)

 ……綺麗。

 若竹姫の目はその美しいずっと見ていると吸い込まれてしまいそうな、星空の輝きにあっという間に奪われてしまった。若竹姫は星空から目を逸らすことができなくなった。(どうしても、その風景から目を動かすことができなかった)

 ……、怖いくらいに綺麗。

 どうして今夜はこんなに星空が綺麗なんだろう?

 そんなことを若竹姫は思った。

 森の中で見上げる星空はいつも美しかったけど、今夜の星空の美しさは異常だった。(そうだ。たしかに異常だった。明らかに今日の夜は普通ではない)

 そんな満天の星空の中には明るい大きな丸い月が浮かんでいた。

 真っ白な色をした、本当に美しい月。

 明るい月がそこにはあった。

 若竹姫はじっとその月の輝きに目を向ける。

 綺麗な月。

 ……、こんなに綺麗な月は、今までに見たことがないな。

 そんなことを若竹姫は思った。(見ていると、なんだかお月さまに私がじっと見られているような、そんな不思議な感じがした)

 そうして若竹姫がその目の動きを星空に奪われていると、くすくす、と誰かの笑う声が聞こえてきた。

 子供の笑い声だ。

 ふと、我にかえった若竹姫がその子供の笑い声のしたほうに目を向けると、そこには白い着物をきた一人の小さな女の子の幽霊が立っていた。

 白い月の光に照らされている、黒くて長い髪をした、とても綺麗な女の子。

 お人形さんみたいな子。

 その顔の上半分は長い髪に隠れて見えない。(それでも、その女の子が美しい子であるとわかった)

 小さな女の子の幽霊は若竹姫を見て、にっこりと白い月の光の中で、赤い口を動かして、妖艶な笑みをして笑った。(その笑みを見て、ぶるっと若竹姫の全身が震えた)

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