第6話
今まで僕のことを好きになってくれる女の子が時折いた。幼稚園の時も 毎日 幼稚園の砂場の中にある子供の家の中で待たれていた。僕は毎日砂場に行きその家でお昼になると砂場にある家でおままごとをやるのだった。中学生になると下駄箱の僕のボックスの中に色々プレゼント 入れてくれる女の子もいた。バレンタインの時も手作りチョコレートだけじゃなく大きな長い長い その頃流行っていたマフラーを編んで入れておいてもくれた。僕の友人は彼女が好きだったけど僕はさほどではなかった。彼女は色が白くて、日本人というより今ふうに言えばハーフという 感じだった。僕が中学生の頃は合の子と言っていた。
そういう子は時折いた男でも女でも やけに色が白くて他の子たちより 目立っていた。あだ名は白人というのが多かった その子も白人の一人だったけど僕の友人は彼女が好きだった 2人の友人は。そんな子にいろいろ 下駄箱にプレゼントまでされて 羨ましいなあ とよく言われた。時折あの子ってかなり可愛いじゃん 人気あるんだよ とも言われたが僕には全然 ピンとこなかった僕はあの手のタイプはあまり好きではなかった。彼女が僕のことをなぜか気に入っていてくれていろいろ入れといてくれるのは知っていたけど少しも嬉しくはなかった時々 気が重くなった 特にあの手編みの超長いマフラーの時は。あの後 お誘いがあって 友人の素子さんの家で集まることになっていた。僕は一人で行く勇気はなかったので友達に頼み込んでついてきてもらった。とても辛い時間だった。会話は全然はずまず彼女にとっても辛い時間だった。
あれが初めてのデートだったんだなあと 後になって思った あんなものだったのかもしれない これっぽっちも 楽しさはなかった ただ辛くて苦しい時間そんな時間だった。後になって思うとあれが初デートということだったのだろうか。 中学生 の初めてのデートなんてあんなものなのかもしれん 。とにかく楽しくなったし 羨ましくなかったし 辛い ばかりの時間だった 。なんだったんだろう。女性とのデートが楽しいと思えたのは 社会人になってからだった。それまではデートなんて 気が重くなるばかりで少しも楽しいことではなかった僕は中学生の時のあのデートが忘れられなかった。 あれは本当に辛かった 。ただ重くただ 苦しい時間だった。彼女は何年間も僕に対して思っていてくれたんだろうその時間の分が積もり積もった重く苦しい デートだった。 あんな思いは二度としたくない。社会人になって付き合った女の子とのデートは楽しいことばかりだった。デートは本当に楽しい言葉になった。 だから今思い出してみると最初のデートの印象が強すぎて僕には少しもデートをしたいという気持ちは起こらなかった。初めての辛い デート と あとの楽しいデートはちょうど 帳消しになっていたのかもしれない。
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