神様フリーダム 2
ついでなのでしばらく呼び出さないようにと、酒とタバコとつまみ、デザート類も山ほど献上した。
神様ってなんか人間臭いよなぁ。
「ポルドスで会いにいけってオーズだっけ?今会ったらダメなの?」
「ん!ああ・・・・・・オーズを呼べば嫁がいっぱい付いてくるぞ」
ん?単独行動が許されないタイプの夫なの?いっぱいって!
「まぁ、あっちに行けばわかるだろう」
「・・・であるな」
何か隠してるのか?怪しいな?
ドリアスとシャルマ、アルタートとヴェールもなんか不自然に目を逸らす。
「何か酷い目にあったら酒とデザート禁止な!」
嫌な予感しかしないのよ。
「「「「それはダメじゃ!!」」」」
大事な情報を隠蔽するのは許さないよ。
「女神がいるところでは口出せないことだ!!」
・・・異性がいたらダメ?
「『ドキドキ!真面目な子が、イイ・・』」
「『真夏のビーチ♡ちっ・・・』」
「やめろぉおお!!!ぅおおおい!!」
人生で一番激しく突っ込んだ。
「お前らもう俺の部屋とかデータ漁るのやめろ!!マジで!」
なんでまたマニア系を発掘してるんだよ。俺だって一回くらい見ただけで忘れてたぞ!
本当に!本当に!!忘れてたぞ!!
「データを漁らんとお取り寄せが充実せんだろう」
「そうだよ!成の好みをもっと知りたいよ」
だって要らんもの発掘してるじゃないか!!
「あらあらぁ!隠さなくっても男の生理くらいわかってるわよぉ~」
「ねぇ~?犯罪じゃない嗜好にとやかく言うほど私たち青くないわぁ」
理解されたって秘密の棚を漁ったのを許さないよ!青少年の黒歴史を封印していた棚を開けやがったな!
捨てておけば良かったけど、都会は処分も面倒なんだぞ。
「許さない!!」
全裸で発狂するアイドルが乗り移るぞ!
「いやぁ、別の世界の女子を見るチャンスだったしなぁ」
「ちょっと好奇心がなぁ」
アルタートとヴェールまでか。
男子校なら許す!俺も混ざる!
だけどイケメンで一夫多妻の神にオカズ要らないだろうよ!
「それでオーズが何かお願いがあるんだよ」
「お願い聞いてくれたら人魚とか紹介してくれるよぅ」
いっぱい嫁がいる神様がエッチな動画や本に何の用があるのさ。
人魚は気になるけど、どうせ嫁には出来ないじゃん!俺、異種族まで広げないと彼女出来ない感じ?
「そんないじけるんじゃないよ。お前が出会いを無視しなければ縁はあるもんさね」
「無視した覚えはないんだけど」
そんな勿体無いことしてない・・・はず?
「成は人の悪意に無頓着なんだよぉ。成がなんでも一人でやっちゃてたから簡単にやってるように見えちゃって出来ない人に目を付けられて邪魔が入ってたんだ」
え?それって地球でのこと??何のことかわからないけど、誰もやらないから自分でやった方が早いってなるじゃんね?
「逆恨みだし、向こうが捻くれてるんだけど、成はめんどくさがりだからそう言う気配スルーしてたでしょ?」
なんとなく分かるような分からんような?
「成に良い印象持ってる人はいたんだよぉ?でも悪意の方が強いって言うのかな。悪縁が渦巻いてたよねぇ」
悪縁ねぇ?深い付き合いをしていたのは地元の悪友くらいで他はその場所だけって感じか?
「興味がないってその手の輩に一番イラつかれるんだよぉ」
ん?気が合いそうに無いとか、向こうの態度を見て一線を引くのは悪いことなのか?
仕事場ではそれなりに合わせてたけど私生活で合わない相手とは付き合えない。
「割り切ってるって言うのかなぁ?」
「誰にでも好かれたいって奴もいてね?でも自分もそこまで深く関わりたいわけじゃなくて自分を見て欲しいだけってやつ?」
ますますわからないな。自分に注目させておきたいけど、その後はどうでも良いって酷くない?
「そんな人は稀だけど成は線引きがはっきりしすぎるんだと思うんだよねぇ」
「もう少しソフトにしたら生きやすいよ?」
んー?お互い深く付き合いたくないならそれで良いと思うんだけど、めんどくさいな。
「人間は理不尽な感情に動かされてるんだよぉ~」
そんな感情面倒じゃないか。
「ねぇ~?」
なんか俺の荷物の話から逸らしたいんじゃないかと思い始めたぞ。
「違うよ~!忘れてくれたらラッキーだけど、成の悪縁は断ち切られてるから、この世界ではもっと大らかに生きなよって言いたいの」
「そうそう、今だって成の周りは人情深いよ」
ドリアスとシャルマが二人して言う。
「今の町の連中が良いやつばっかりなのはわかってるよ」
「でしょ」
居心地もいいし、ちょっと知り合ったのが男しかいないけど、それが逆に楽かもな。
「こっちの世界でも性格悪いのはいるけど前の世界よりは成も楽に過ごせるよ」
ちょっと前の俺どんだけ不幸設定なの?俺なりになんとかやってたぞ。最後あれだったし、終身刑な結婚目前だったけど。
「そうだね~。不自由に感じてなかったのが成だよねぇ。そう思っちゃう成は好きだけど~普通はあの状況だと不幸を呪って生きてると思う」
そんなこと言われてもなぁ?
まぁ、今の自由な暮らしが幸せだから目が覚めて元に戻ってたらやさぐれるけど。
「だからここでは出会いも楽しんでいろんな子と遊べばいいよー」
え、不特定多数でをおすすめで?
「違うってば!」
「いっぱい恋してフラれてまた恋すればいいの」
フラれる前提かよ!
ドリアスがムカづく。
横でフォルティナとメルティアが爆笑してる。
コイツら絶対俺で遊んでるんだよなぁ。
「もう、帰っていい?」
ちょっと嫌になってきた。
「「えー」」
「「もう帰っちゃうの」」
そんなに残念がられても、今俺は教会で物凄く熱心に祈ってる人なんだよ。
神父とシスターに見つかる前に帰らしてくれ。
めちゃくちゃごねられたけど帰してもらえた。
-----------------------
調整と約束の女神 ティアランシア
創造神 ドリアス
火と鍛治の神 ヴェール
戦と戦略の神 グラディウス
大地と多産の女神 フォルティナ
魔法と医学の神 アルタート
愛と激情の女神 メルティア
時空神 シャルマ
旅と商売の神 アムジス
最高神 ディヤウス
海神 オーズ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます