思い立ってすぐ行動は良くない

 ついでにゼ○シィやダイレクトメール、ブランド物の紙袋をゴミ箱にポイしようとサクサク処分。

 ゴミ箱も〈ゴミ箱〉って言えば、無限収納内のゴミ箱の入っていく。


 ブランド物の紙袋の中にまだバッグや財布、コートが残ってた。

 買わせといて忘れてたな。アイツ。


 向こうで妹が見つけて売るか切り裂くか知らんが、こっちのは、ゴミ箱に入れて素材変換で良いかね。勿体無いけど絶対この世界で必要ないもんな。


 皮と金属と生地とボタンとかになったぞ。


 漁ってたら、指輪やらのケースも出てきた。

 ダイヤモンドリングはプラチナとダイヤの裸石になった。

 どうせならアダマンタイトやミスリルになれ。無理か。


 あのアンナがマンションに出入りするようになった時に見られたくない物は全部ゲーム用の部屋に纏めてたので、そっちにはアンナの物は無い。


 ついでにこの世界じゃ絶対着ないスーツ一式はポイしよう。

 一応こだわったオーダースーツなんだけどね。

 洗い損なってた靴下とパンツもポイだ。


 下着やパジャマ類は、ルーム内で使えば良いよな。


ピロロン!


 あ、他のメール見てない。


 スマホ開いてメールをタップ。


 ドリアスからが増えてる。


 なんだろう。


 一番古いのから開けば。



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 一ノ瀬成 様


 私は創造神ドリアス。

 君にお願いがある。

 神殿まで来られたし。


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 一ノ瀬 成 様


 神殿は君の泊まる宿の南に進めばあるよ。



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 ティアだけズルい!

 私もお酒が欲しい。


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 ヴァールに食べ物を自慢された。

 他の子達も君に会いたいと言ってる。



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 なぜ神殿に立ち寄る気配がないのか。



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 僕は君に会いたいと切望しています。



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 お願いだから会いにきて



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 まだかなー

 

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 まさか僕に会いたくないとは言わないよね


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 LI○Eかな。


 会いに来いってどう言うこと??

 神殿って神様に会える場所なの?

 とっても面倒くさそうな神だなぁ。


 しかも「私」から「僕」に変わってるよ。猫飛んでくの早いな。


 ヴァールのメールは。


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 成


 何か作って欲しい道具があれば私に言うが良い

 刀のメンテナンスもするからな


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 ドリアスの後に見るとなんか好きって思えるな。


 しかし、今は夕飯前である。

 神殿は明日だ。 


 とりあえずシャワーを浴びて。


 あ、俺の大事なス○ルプDーーー!!

 半分になってる。


 ん?俺は今ハゲの心配はあるのか?


 ・・・ないな。


 でもシャンプーは欲しいぞ。

 ボディシャンプーも残りわずか。


 ショップは食べ物とタバコと酒の付属品までだ。

 やっちまったー。


 イケメン金髪になったと言うのにキシキシヘアーになるしかないのか。


 今の俺には加齢臭などと言う不吉な気配はないが、石鹸が欲しい。


 入浴剤も今あるだけか。


 何気にテンションダダ下がり。


 〈洗浄〉で清潔は保てるけど、ゴシゴシ洗いたいぞ。


 良い時間になってしまったので、ロンTとカーゴに着替えて、一本だけタバコ吸って、宿の部屋に戻る。


 七時くらいかな。もう下は結構騒がしい。


「夕飯ください」

「こっち座るとよ。坊や!」


 またもカウンターにご案内。


 食堂は宿泊客だけじゃないので知らな顔もいる。


「今夜は水牛のソテーとチーズ乗せパンよ」

 あ、チーズあるんだ。

 デデーンと三百グラムはありそうな肉とハードパンはスパイスのが置かれた。


「いただきます」

「はいな」

 エールは一杯だけ宿代込み。

 正直少し酸っぱいし常温なので缶ビール出したい。

 出されたものは文句言わずいただく主義だかから飲むよ。

 昨日の酒盛りもエールとワイン。奢りだ!飲めーって気持ちは嬉しいのでいっぱい飲んだ。

 今日はこっそりエールを〈急冷〉してみる。この味だと柑橘系を少し入れた方が飲みやすいよな。


 お肉はアメリカンなステーキの歯応え。これは食べ応えがある。ステーキソース欲しい。

 岩塩とグレイピーソースに近いけどスパイスがほぼ使われてないので肉汁とワインにハーブかな。


 胡椒かけたいけど、人様の味付けにケチつけるような気がして味変はしない。

 

 チーズは少し臭いタイプ。でも濃厚で好きだ。

 

 〈新月の雷光〉はさっきドカドカ帰ってきて、着替えてから食事らしい。


 顔を合わさずに部屋に行くのはさすがに無愛想だよな。


「ねぇ、エンマさん、ドットたちに昨日のお礼にウサギ肉の料理出して欲しいんだけど、頼める?」

「ウサギ?ボルク、良いかい?」

 厨房に声かけると「良い」って返事。

 ウサギは安いけど新人がお礼で出すにはちょうど良さげな獲物だ。多分。


「じゃこれで」

 ウェストバッグをマジックバッグとして見せて、お肉を出すとそう言えば包みがない。

 仕方ないので手に持ったままの塊肉をエンマさんに見せて、「どうしよう?」と首を傾げたら、「こっちおいで」って厨房内に。


「・・・変わったマジックバッグだな」

 ボルクさんはギルマスの仲間だから多分上位ランクだ。色々見知ってそう。


「ほら。ここにおいてくれ」

 指定された使い古された大きめなまな板。


「何作る?」

「今からだと焼くくらいでしょ」

 

 手間掛かるのは無理なのはわかるよ。


「あ、ちょっと俺がつくってみて良い?」

「料理できんのか?」

「少しね」

 独身一人暮らし歴二十年ちょいだったからね。


 ウサギ肉を小さめに切ったら、塩と生姜っぽいので混ぜて、焼くだけ。

 そして大葉みたいなのがあったので分けてもらって「臭い消しの葉っぱを食べるのか」と言われた。

 なんと大葉、口の中をさっぱりさせるために食べるものだそう。

 少し齧っても大葉っぽかったから使う。

 細切りにして、チーズをのせてもらう。

 串がないからアレだけど、鳥チーズ串焼きのイメージね。ウサギだけど!


 二人は味見にパクリ。


「美味しい」

「うん、これは葉っぱが良いな」


 ドットたちが降りてきて、エンマさんが今夜のメニューを出す。


「「「「かんぱーい」」」」

 

 みんなが食べてる間にウサギを全部焼く。


「みんな、坊やが昨日のお礼にウサギ肉獲ってきてしかも調理までしてくれたとよー」


 そんな大層な感じで言わないでよ!!


「なんだと!初獲物を振る舞ってくれるのか?」

「坊や!初獲物おめでとうだな!!」

 ドットたちが超喜んでくれた。


「よし!坊やの初めてを祝って!!」

「宴会だー!!」


 あー、今夜も飲むみたいです。


 俺、やっちまったな!





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