塾の陽キャを陰キャが粛清した話

Aの人

第1話 陽キャ、襲来

 僕はもともと勉強をすることが割と好きだった(なぜか結果が...)。なぜなら、知識があるのとないのとでは天と地ほど差があり、それを怠ったことで痛い目を見たことがあったからだ。無知な者は、容赦なくこの社会では生き残れない。だから僕はもう二度と後悔しないために、勉強をすることにした。


 僕はもともと人とコミュニケーションの取ったり、団体行動をするのが苦手で、一人で黙々と何かをするほうが好きだった。だから学校より塾のほうが好きだったし、塾でも、与えられた課題を一人で解き、どうしてもわからなかったら質問するというスタイルをとっていた。


 7月も中旬に入り、学校では、夏休みの予定を友達と話すものも出てくる中、その日の放課後も、僕はいつものように塾に行き、自習室で勉強していた。


 しばらく、その週の宿題を解いていると、何名かの生徒がやってきた。


 自習室には、友達と一緒に来て自習する生徒も一定数いる。だから僕は、彼らもそうなのだろうと、大して気にも留めなかった。そして横目でちらりと彼らを見た後、すぐにまた視線をノートの上に移した。


 席につくなり彼らは、小声で話し出した。少し気になったが、僕はそれを注意するわけでもなく、すぐに終わるだろうと思い、気にしないことにした。


 だがそれが悪夢の始まりだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る