第28話

ディアスポラ。いまこの島の人口が少子化で減り続けている。昔この島には人々が溢れかえっていて耕す土地が足りなく。外地に人々が渡って行った。ある者は親族達の生活の為またある者は己の武力のみを頼りに裸一貫で。己の意思にそぐわない形の方もいただろう。奴隷のように連れていかれた者、舟での遭難の結果仕方なくその地に辿り着く者もいただろう。同胞達よ日本語もお忘れなく。言葉は祖国の地に里帰りする為の力の一つになり得るのだから。江戸時代の大黒屋光太夫やジョン万次郎は法律の壁すら乗り越え帰郷に成功した。戦争によって敵になった時同胞達と敵対する怖ろしさを先祖達は悟ったに違いない。同胞達は私達を知り尽くしているからだ。同胞達よ敵と私達を通訳として結び付けてくれてありがとう。そして祖国への帰郷おめでとう。この帰郷も日本語のおかげであると言えるだろう。





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