第15話 Day5 Bite wound(咬傷)

Day5 朝3時 ちょいすぎ 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


余りの腕の痛さで目が覚める

体がびっしょり

これでもか!というぐらい男の汗を吸い込んだ下着を脱いで新しい物に履き替える

そして風呂場の鏡へ


恐る恐る包帯を取ってみる

紫色 これは 噛まれた時の痣

緑色 これは 噛まれた時の雑菌

これらは範囲が広がってないから問題ない

ただ、ぷくぷく 数か所が膨れている


男   :「。。。。。。。。。。。。。。」


内臓の色が明らかに違った

自分の知っている肉食動物の色ではなかった

多分 毒であろう


男   :「FUCK!!(畜生)」


残念ながら解毒剤なんて物は無い

としたら自然治癒でいかなければならない


まず 薬棚から痛み止めを数錠とる

次にパントリーでタートチェリーの瓶を探す

幾つか買ってあったはず

タートチェリーは痛み止めと炎症止めの効果がある

これは痛風になってからよくお世話になっていた為

結構な数があるはずだ 

冷凍版とちがい瓶詰めのジュースは数年もつのもいい

痛み止めを口に入れ タートチェリージュースで流し込む


次にアルコールワイプと爪切り

まず 爪切りをアルコールで消毒し水疱みたく ぷくぷく 膨れている皮をめくる

そして中にある液を押し出し 

アルコールワイプで拭いてからステロイドと抗生物質の軟膏を塗る


***20分後***

それを時間をかけ 全ての ぷくぷく に行う

腕が途轍もなく熱くなっている

蛇の毒の場合は冷やしてはダメらしい

このコヨーテの毒がどうなのかは知らない

ただ 腕が熱くなってるってことは細胞が戦っているのであろう


なら 逆に熱くしてみるか?


それが正しいかどうかわからない

ポータブル電源と電気ケトルでお湯を沸かす

キッチンから少し大きめのグラス

そこに ターメリック クズ デンダーライオンの粉をスプーン2杯

そして吸収を良くする為にブラックペッパーを1杯

そこにマサラパウダーとレッドペッパーを1杯

沸いた少量のお湯をグラスに入れかき回す

そしてタートチェリーのジュースをそこに注ぎ込んでぬるくする

鼻を抑えながら 飲み込んでいく

飲み終わった後せき込んでしまうが そこにさらにジュースで押し流す


そしてベッドへ

掛け布団を畳んで左側へ

左腕をその上にのせ 心臓の位置より高くする

そして眠りに着こうとするが痛みのせいでなかなか寝付けない

それでも我慢して目をつぶり続ける


***1時間後***

痛み止めが効いてきたのか 

体の疲れが限界にきたのか

痛みがあっても男は寝付く事になる


朝6時ちょいすぎ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


”キーキー”


コヨーテ達の鳴声で目が覚める

下に行ってみると段ボールの中の子供コヨーテが泣き叫んでいる


思わず殺してしまいたい衝動に駆られる


折角の睡眠が邪魔されたし

それはこいつらの親のせいであるのだから


ガレージのドアを開け、段ボールを外に出す

そして 薄く作った粉ミルクの水を飲まそうとするが泣き続けるだけ


男   :「。。。。。。。。。。。。。。」


ガレージにあった小さいタオルを水に濡らし 

1匹持ち上げ 庭のところで 下をちょんちょんすると放尿を始める

残り2匹も同じようにして放尿させる

その後 粉ミルクの水をやるとゴクゴク飲み始める


男   :「。。。。。。。。。。。。。。」


痛み止めを飲んでソファーに倒れこむ


***3時間後***

またキーキーと鳴声がする

同じように放尿をさせ その後コーヒーを作り

コーヒーで痛み止めを飲む

包帯が汗でぐっしょりしているので外して 新たな包帯を巻く

庭のスモーカー用の火が消えているので

時間をかけて火をつける


またいつものルーティン ポータブル電源の充電を行う


シロ蛇がやってくる

スモークした肉を置いてみるが 飲み込もうとしない

仕方がないので電気ケトルに冷凍した肉を入れ

それを切り分けたのを置くと 

暫くしてから飲み込んでスルスルと行ってしまった

スモークした肉は良く出来ている


腕が痛い!!

でも必ず生き残ってやる!!


その為には食わねば

体を熱くさせるハラペーニョ味のスモーク肉をガンガン食べる

途中 腕の毒のせいか 嘔吐しそうになるが 頑張って飲み込んで食べていく

そして水とコーヒーをゴクゴク


腕が痛い。。。でも負けねーぞ! 

絶対自然治癒してやる!

男   :「In the name of Jesus and Samson(イエスとサムソンの名において)」

祈りの言葉

それは男の意地であった

それは男の決意であった

それは男の確信であった


休む必要がある

だだずっと寝ているだけでは芸がない

ショットガンを携え

森の東側に行き 的を吊るす

左腕が痛いがそれを気にせず試し打ちを数回

悪くはないが少しずれている

時間をかけて銃身をメンテナンス

試し打ち まだずれている メンテナンス 

試し打ち 良し!!!


明日か明後日は川の音がする北へ進んでみようか

または南の草原を行ってみるか


そんな事を考えながら洗濯をする

この時 本来捨てるであろう 血の付いた包帯も洗濯する

なぜなら代えがこの世界にあるのか判からない


男   :「。。。。。。。。。。。。。。」


人は居るんだよな? 何処かに居るんだよな?

もし 俺以外の人が居なかったらどうする?


男   :「。。。。。。。。。。。。。。」

男   :「Jesus Why? Why me? What's going on?」


自分の境遇を問いかけても答えはない


男   :「。。。。。。。。。。。。。。」


ソファーの背もたれに左腕を乗せ 心臓より高い位置にし

ポータブル電源につないだスマホから♪を流し

ひだすらボ――とする


あのコヨーテ 毒がある

Dire Coyote とでも呼ぶか


子コヨーテ ハンティング用にしつけられるか?

でも毒あるんだったら 獲物に嚙みついた時点で肉が食べれなくなるだろう


休む ひたすら休み鳴声で起きたら

対応し スモーキングと洗濯物を干したりトイレ行ったりしてまた休む


肉はある 野菜はフリーズドライがある

でも新鮮な野菜、魚、卵、牛乳などが欲しい

でも手に入れる当てがない

とりあえず川から魚が取れればいいが

畑に蒔いた種 野菜は2か月ぐらいかかるであろう

それも無事に育ったとしてだ

森の中にキノコがあるのは確認しているが

怖くて食べれ無い

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