双子の死から始まるデスゲーム

美杉。節約令嬢、書籍化進行中

第1話 突如始まったデスゲーム

「あはははは、みーつっけた」


 黒く長い髪、白く伸びた腕。

 クラス……いや、この学校一とも言われるくらい美しい夏美は、その赤く形の良い口角を上げた。


 ただそれがどこまでも恐ろしく感じたのは、彼女がその片手に不釣り合いなほどの大きな斧を持っていたから。


 しかも引きずられたその斧が、べったりと地面に血の道を作っている。


「夏美……君は」


 俺の声などかき消すように、大きな他の生徒たちの悲鳴が上がる。彼女はその悲鳴に満足そうな顔をした。


 これは俺の……いや、俺たち全員の罪。

 だからこそ、俺は彼女との日々を走馬灯そうまとうのように思い出していた。

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