無力な舞台役者(現代ドラマ)


 ボク達は無力な舞台役者。

 癒しを提供することで使用者を悦ばせるのが仕事だ。

 使用者は数字が取れるとニヤついた笑みを零す。

 ボク達は使用者にとってステータスなのだろう。

 ボク達は道具なんかじゃないのに。


 ボク達は無力な舞台役者。

 愛嬌を提供することで使用者を悦ばせるのが役目だ。

 使用者は数字が取れるとボク達を褒めてくれる。

 ボク達は使用者にとってカタルシスなのだろう。

 ボク達は動物なんかじゃないのに。


 ボク達は無力だ。

 意思疎通が出来なければ敵う筈も無い。

 ボク達は舞台役者だ。

 画面越しの舞台を愛嬌で彩る道化師。

 

 それがボク達なのだ。

 ボク達は使用者のために未知数を悦ばせる奴隷である。

 使用者はボク達のこと考えない。

 無許可で消えない傷を彫られて生きるのだ。


 だからボク達は「無力な舞台役者」なのである。

 

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