愛別離苦(恋愛)


 私 貴方に逢いたいだけなのに

 そんなちっぽけな願いも 叶わないのは何故ですか

 二人で歩いて来た幸せな思い出が 私の心を病ませてく

 

 健康な身体の私は この道を歩くことが出来ても

 どうしてかな 胸が苦しくて歩き出せないのは

 それが貴女の所為だとしたら私

 この先に一生辿り着けないままで


 貴方の声を聞いたら私 きっと 歩き出せるから

 貴女の元まで走って ぎゅっと 抱き締めるから

 だから もう一度 たったもう一度

 貴方が微笑んでくれるなら私 何だって出来るよ

 なのに どうして どうして私を置いて逝くの


 貴方が居ない場所には未練が無くて

 私が貴方の元へ何度羽ばたこうとしても

 貴方の最期に掛けられた呪いが蝕んで

 結局私は 今も地面に足を着いたまま

 

 心の傷の痛みも チクチク痛む足の平も

 「僕が居るから大丈夫だよ」って 微笑んで

 貴方が優しく包み込んでくれたら治るのに

 なのに どうして どうして貴方は動かないの


 弱い私は どうしようも無く貴方に縋って泣いて

 儚い私は 垢で汚れた恋の歌を今も唄い続けている

 この歌が届けば良いのに 届いて欲しいな

 そしたら「僕もだよ」って 抱き締めてくれるよね

 

 きっと私は 貴方の為に生まれてきたの

 生まれた時から貴方を探して 彷徨って

 そんな時に包み込んでくれたのが貴方だから

 きっとこれは運命で 生まれる前から決まってたんだ

 

 今こうして 悲しい恋の歌を唄ってるのも

 「長生きしてね」って 貴方が呪いを掛けるのも

 だから私 これからも生きるね

 きっとこれは運命で 次も貴方と出逢えると思うから


「愛してるわ貴方」 親愛なる妻より

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