夢見る少女アリス(童話・オススメ)


「パパ……ママ……どこにいるの……」

 泣いてる少女が独り


「わたし……こわいよぉ……」

 少女は暗闇を歩き続ける


 スタスタ……スタスタ……

 歩く音が響き渡る


「いやっ……だれかたすけて……」

 真っ暗闇だった景色は上書きされ

 思い出の景色が甦る


「可愛い可愛い、僕のお姫様……パパがついてるよ」

「可愛い可愛い、私のお姫様……ママがついてるわ」

 可愛らしいベッドで両親に頭を撫でられる少女

 

「パパ……ママ……おやすみなさい……」

「「おやすみ」」

 

 深く暗い闇に堕ちる少女

 何も無い世界でただ独り

 

 沈む少女は安らかで

 溺れる少女に息は無い

 

 助けてくれる人は誰もいなくて

 この世界でただ独り


 底に堕ちて目覚めた少女

 顔の無い人の中でポツリと独り


「パパ……ママ……こわいよぉ……」

 泣きじゃくる少女の隣に二人


「‪✕‬‪✕‬‪✕‬、大丈夫?」

「パパとママが来たぞ」

 

 涙をドレスの袖で拭う少女

 二人の手に繋がれて笑顔を浮かべてる


 三人で観覧車に乗る少女

 空から見える景色は朧気で

 クレヨンで描いた絵の様だ


 観覧車から降りた少女

 そこに地面はなくてまた堕ちる


 堕ち続けた少女は空を飛ぶ

 

 空飛ぶ少女は鳥と仲良しで 

 空飛ぶ少女に羽はない

 

 蒼の世界でただ独り


 空飛ぶ少女は雲に行き

 雲のベッドで安らかに眠る

 

 夢見る少女は身に纏う

 青のドレスがお気に入り


 夢見る少女は甘えん坊

 パパとママに抱かれて眠る


 夢見る少女のドレスは赤色で

 白のドレスに着替えるの


 夢見る少女は胸の中

 パパとママの涙で顔濡らす


 夢見る少女はもういない

 高い場所から落ちちゃった


 夢見る少女は夢の中

 幸せな夢に包まれる

 

 夢見る少女は夢を見て

 パパとママに、さようなら

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