第68話 始め

■本当の始め


ナビ:そして、これからが本当の物語の始まりである。時間は少しだけ遡る…。


・再会


時間は少しだけ遡る…。


ハジメ:おーい!みんなー!


ハジメ:タマを連れて帰ってきたぞ!


タマ:こ…こんにちにゃ!


チビ:おお!この者がタマか!


巫女:まぁ!可愛いハチワレちゃんね!


キラ:おかえり!タマ


黒木:おかえり…タマ


教授:おお、よくぞ戻ってきてくれた!


タマ:よ…よろしくにゃ!


エリ:タマさーん!おかえりなさい!


タマ:え…エリにゃ!ただいまにゃ!


エリ:タマさん!お疲れ様でした!


エリ:今度は私がタマさんを守りますね!


タマ:エリにゃ…ありがとにゃ…


エリはタマを強く抱きしめた。


ハジメ:みんな!収容所のことありがとな!


巫女:おう!たりめーだ!ハジメ!


黒木:結界を張ったから…当分この場所がバレることはないわ…


黒木:例えバレたとしても…外部からの侵入は防げるわ…


巫女:さっき手に入れた…この「警戒の天球」で二重に警備だ!


ハジメ:ありがとう!黒木さん、巫女さん


教授:送り返した敵共は記憶を抜いてやったぞ!


教授:ここでの仕事の収穫が役に立ったぞ!この「断片の天球」でな!


教授:ここがバレちゃマズイからな!


キラ:当面はここを拠点にして、労働者たちを元の世界に帰してあげないと…


キラ:元の世界に戻れない者は、どこかに居住地を確保したいんだ!


キラ:政府の関与が及ばない、どこか良い候補地は無いだろうか?ハジメ君!


ハジメ:ありがとう!教授、キラ君


チビ:テレパシーでお主が探す仲間たちと連絡はとった!


チビ:王女とその仲間たちも全員無事じゃ!


チビ:今はケガ人と病人の救護にあたっておる!


エリ:王女さまたち、本当に凄いんだよー!


エリ:私もみんなを見習わないと!


エリ:私、もっともっと強くならなきゃ!


ハジメ:ありがとう!チビ、エリ!


ハジメ:みんな本当にありがとう!


タマ:ありがとにゃ!!


ハジメ:収容所の状況は分かった!


ハジメ:俺も強くなったんだ!


ハジメ:俺にできることがあれば率先してやりたい!


タマ:オラもいるにゃよ、ハジメにゃ!


タマ:オラも一緒に手伝うにゃ!!


・秘宝


タマは何かを思い出し、仲間たちに声をかけた。


タマ:みんにゃ!見せたいものがあるにゃ!


タマ:オラについてきてほしいにゃ!


ハジメ:どうしたんだ?タマ


エリ:どうしたの?タマさん


タマは隠し通路を通り、みんなをある場所へと連れてきた。


タマ:ここにゃ


キラ:…ここは?


秘密の場所01


タマ:ここはオラたち労働者たちの秘密の集会所だにゃ


タマ:ここでオラたちは亡くなった仲間たちを弔い、慰め合って生きてきたにゃ…


チビ:ううぅ…身にしみるのじゃ…


黒木:積年の想いが詰まってる場所ね…


タマ:散っていった仲間たちと反乱軍の意志を絶やさないために…


タマ:オラたちはここに誓いの天球を捧げたにゃよ…


タマ:この天球を見てほしいにゃ…


教授:こりゃ…たまげた…


黒木:こんなところに…


巫女:こ…これは…


キラ:これが、噂に聞く…


チビ:そうか…お主らが持っていたのか…


エリ:…ん?


王女:そう…これは我が王家に伝わる伝説の秘宝…


王女:黄道12星球のひとつ…


王女:…「乙女の天球」…


王女:別名…意識のスフィア…


王女:彼が私たちに残してくれた唯一の希望です…


エリ:王女さま!大丈夫なんですか?


チビ:そうか…そういうことじゃったのか…


チビ:これで…話の辻褄が合う


王女:私達…敗者には働くことしか許されていない…


王女:そんな私達にせめてもの希望として…


王女:彼は意識だけでも自由にと…


王女:この意識のスフィアを遺してくれました


キラ:本当に実在するとは…


巫女:これは、お宝中のお宝よ!


ハジメ:ああ…俺もタマの記憶で知ったんだが…


ハジメ:この天球のために、俺の過去「前世の俺」は取引を受けたんだ…


ハジメ:政府の言いなりになって、あのときに俺を救ったんだ…


教授:そうか…彼はこの天球のために…


教授:あのときの取引を受け入れたのか


教授:全ては捕まった仲間たちのために


巫女:なるほどね…


巫女:あのときには…そんな裏があったのね


ハジメ:ああ…その通りだ…教授、巫女さん


ハジメ:俺がこうやっていられることも”前世の俺”のおかげだ…


ハジメ:あのときの取引を断る選択肢は一切なかったんだ


エリ:あのときの取引?


王女:ええ…私達も後になって知りました


王女:私達の知らないところで、そんな取引があったなんて…


チビ:いかにもな…政府のやり口じゃの…


つづく。

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