第53話 魂の覚醒

■覚醒の始め


魂の覚醒が近づき、ハジメは重要な決断を迫られる。


これにより、彼の未来が大きく変わることになる。


ナビ:ハジメの体調に異変が起こる


・兆し


良い考えがあると豪語したチビはハジメとエリにある作戦を言い渡す。


知識の山を出たハジメたちは外で待っていたキラーと合流する。


ハジメ:この作戦でいいのか?チビ…


エリ:大丈夫かな…私…


チビ:にゃーぱっぱっ!


チビ:早く皆を解放したいのじゃろ?


チビ:まぁ、どうしようもない時はわたちがフォローしてやる


チビ:大船に乗ったつもりでどーんと構えておくのじゃ!


チビ:では、用意はいいか?


チビ:作戦通りに行くのじゃぞ!


ハジメ:あ…ああ…


ハジメ:ドクン…


エリ:は…はい!


知識の山を出たハジメたちは外で待っていたキラーと合流する。


キラー:おお…勇者と王女!我は待っておったぞ!


キラー:我が言ったとおり…必ずお前たちは帰ってくる!


キラー:信じる者は…救われる!


キラー:がっはっはっ!


キラー:して…無事に霊能者とは会えたのか?


エリ:あ…キラーさん!た…ただいま!


ハジメ:おう…キラー…ま…待たせたな!


ハジメ:ドクン…?


キラー:なんだ?えらくよそよそしいな…


キラー:まさか…霊能者に会えなかったのか?


チビ:お主がキラーか…話には聞いておる…


チビ:よろしく頼むぞ!


キラー:おやおや…これは可愛い仔猫ちゃんだ…


キラー:飼い主さんはどうしたんだい?


エリ:飼い主?飼い主なんていないわよ?


ハジメ:キラー、この仔猫が霊能者だ…


ハジメ:ドクン…??


キラー:がっはっはっ!


キラー:冗談がきついぞ!おふたりさん


キラー:そうやって我をからかっても…


キラー:何も出んぞ~がっはっはっ!


チビ:そうか…名を名乗ってなかったな…


チビ:わたちは霊能者のチビだ!


チビ:先を急ごうか、案内してくれキラー


ハジメ:キラー、俺たちは時間がないんだ!


ハジメ:ドクン…


ハジメ:緊張してるのか?俺…


エリ:早くいきましょ!キラーさん!


キラー:あ…はい…。


・チビとキラー


賢者ブランの元に戻るまでの道程でキラーはチビに声をかけた。


キラー:いやー先程は大層な失礼をいたしました!


キラー:申し訳ない、チビ殿!


エリ:もう!本当に早とちりなんだから!キラーさんは!


ハジメ:ドクン…ドクン…


ハジメ:さっきから…なんだ?


チビ:名乗りが遅れた、わたちも悪かったんじゃ


チビ:謝るでない!キラー


キラー:この影のキラー…猛省だ…


キラー:して…チビ殿!一つお聞きしたいことが…


チビ:なんじゃ?


キラー:輪廻転生の秘術という日記を持っておられるということで…


キラー:ひとつだけ伺いたいことがあるのですが…


チビ:なんじゃ?言うてみろ?


キラー:チビ殿は輪廻転生の始まりと終わりについて…


キラー:どうお考えになっているのであろうか?


チビ:ほぉ…主は中々の知識人であるな


エリ:そうだよ!キラーさんはこう見えて、物知り博士なんだよ!


チビ:始まりと終わり…ふたつの血統…


キラー:やはりチビ殿もご存じで…


チビ:主がどこまで知ってるか…ちと心を読んでもいいかの?


キラー:はっ!先程のご無礼が許されるなら…


キラー:この影のキラー喜んで心を晒しましょう!


エリ:ええ!?いいの?


チビはキラーの心を読んだ。


そこには驚くべき事実が隠されていた。


■始まりと終わり


チビ:ふむふむ…主はよく調べておるな!


キラー:はっ!ありがたき御言葉!


チビ:時代が違えば、主とは良き友となりそうじゃの!


キラー:ブラン親衛隊、四天王、玄武の怪人、影のキラー!


キラー:知識の探求者として日々精進しております故!


キラー:このくらいは朝飯前でございます!がっはっはっ!


チビ:して質問に戻ろうか…


チビ:輪廻転生の始まりと終わりについてじゃ!


チビ:わたちとしては…ニワトリが先か?タマゴが先か?


チビ:…という考えを持っておる…


キラー:おおっ!チビ殿もそう考えておったか…


キラー:我が考えとしては…


キラー:輪廻転生が…いつから始まり…


キラー:何がきっかけだったのか…


エリ:ニワトリとタマゴ??


チビ:輪廻転生がどこから始まり…どこで終わるのか…


チビ:初めての輪廻転生者…


チビ:全ての始祖となる存在…


キラー:初めて輪廻転生を終わらせた者…


キラー:反逆の末裔となる存在…


チビ:始まりと終わり…


チビ:相反するふたつの存在…


チビ:白と黒…光と闇…


キラー:…体制と反体制…


キラー:始まりがあるから…終わりがある


キラー:終わりがあるから…始まりがある


チビ:始まりと…終わり


チビ:ふたつの血縁…


キラー:相反する血縁…


チビ:悠久の時の争いは終わらぬ…


チビ:争いはいつも単純な理由から始まり…


チビ:単純な理由で終わる


キラー:兄妹…喧嘩…


チビ:因果の連鎖はつづくのじゃ…


キラー:やはり…その考えが自然でありますか…


キラー:……


チビ:”お主”も因果な宿命を背負ったの…キラー


チビ:お主と敵でなければ…良い酒が飲めそうじゃ


キラー:はっ!我には勿体ない…御言葉でございます…


キラー:…感謝致します…チビ殿…


エリ:何を言ってんだろう…このふたり…


エリ:あれ?ハジメさんは…?


・ハジメの異変


エリ:どうしたんですか!?ハジメさん!


エリ:胸を抑えて苦しいの!?


ハジメ:いや…大丈夫だ…


ハジメ:…問題ない


チビ:お主、大丈夫か?


キラー:どうかされたか?勇者殿


ハジメ:…ただ…動悸がするだけだ…


エリ:ええっ!ちょっと見せてください!


エリ:キッ…


エリ:おでこ出して!治します!


エリはハジメの体力を回復した。


ハジメの体力は全快になった。


しかし…。


キラー:おお…治癒の能力か!?


チビ:ほぉ…フリーマンの血統で治癒とは珍しい…


エリ:これで大丈夫!


エリ:ハジメさんの体力は全快です!


ハジメ:あ…ありがとう…エリ…


ハジメ:…ドクン


ハジメ:まただ…なんだ?


キラー:無理は良くないぞ!勇者殿!


チビ:何があったんじゃ?


チビ:そういえば…お主、睡眠はきちんととっておるのか?


ハジメ:…いや…こっちに来てからは一度も…


エリ:そうだ!私たち、まだ寝てないの!


キラー:な…なんと!それはダメでありますぞ!


チビ:それはいかんぞ!ハジメ!


チビ:お主らは現実世界から生身の状態でこの夢の世界に来ておる!


チビ:リアルの状態でこの夢の世界におること自体がイレギュラーなんじゃ!


キラー:な…なんと!そうであったのか!!


キラー:それは大変なことですぞ!


ハジメ:そ…そうなのか!?


エリ:どうしよう…でも時間も無いし…


チビ:お主らがくたばってしまっては元も子もない!


チビ:少しばかり休んでいくとするかのう


チビ:キラー少しばかり休憩させてくれ!


キラー:は!チビ殿!了解致しました!


キラー:ブラン様には我から連絡しておく故…


キラー:ゆっくりとお休みくだされ!


エリ:えっ…でも…


ハジメ:いいんだ…エリ


ハジメ:少し休んでいこう…


ハジメ:俺は全快でも、お前の体力が…エリ


エリ:あ…そっか…そうね!


夢の世界に来てから一度も睡眠をとっていないハジメとエリは、少しばかり休憩することとなった。


つづく。

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