第五節 東雲雪という女Endless Waltz

時は室町時代一人の男が恐怖のぶつぶつウイルスに苦しんでいた。その男の名は6代将軍足利義教あしかがよしのり。彼は幼い頃、天然痘にかかり、命の天秤にかけられていた。チャットgptによると幼年期のものや、高齢者のものがかかれば、30~50パーセントの確率で死に至ると言われている、当時は、ワクチンなどなかった、民間療法と、祈祷きとう、そして自然治癒を待つことが、命を繋ぐ唯一無二の方法であった。彼は病床の中、何を思い何を考えていたのだろうか。それは、神にもわからない。


4月9日晴れ 異世界の空は美しい黄色だった。だがミクロなとりわけ渋谷タルカスが見ている世界は大変な濁りを見せていた。


東雲雪「痛い、いたい、治った、痛い、いたい、いたい治った、痛い痛い、痛い。痛い」


無力な三人は自分たちがやらかしてしまった行いにうつむいて、ただただ黙りこくるしか無かった。三人の目はうつろだった。死んだ魚のような目をしていた。すると人混みを分けて東雲雪しののめゆきの前に金髪の老人が現れた、名は、里見惣五郎さとみそうごろうその目は山をも見透かす目をしていた。


里見惣五郎「“Let’s dance”」


そういうと六芒星を空に描いた。


渋谷タルカス「何やってんだお前!」


惣五郎は無視して、右の橈側手根屈筋とうそくしゅこんくっきんあたりにものすごい力を込めそこを起点に身体中の血管をぴくつかせていた。


笠谷竜蔵「バカが、よく見てみろ治癒してくれてんだ、黙ってろ」

前園豪鬼「おおおおおお」


みるみる次郎と、雪の体は竜蔵の能力から解呪されていた。


次郎「すごいありがとなオッサン」


ドンッッッ


ものすごい鈍い音が 鳴り響いた。」惣五郎はなんと発勁を次郎のみぞに向けて放っていた。


次郎「ウッっっ」


次郎は深い眠りについてしまった。


雪は目覚めると涎まみれの服と周りを見渡した。タルカスのパンチは故意では無かったにしろ、タルカスと竜蔵の考えなしの勢いでその場を切り抜けようとした行いには血の気が引いていた。


東雲雪「ありがとうございます」


雪は惣五郎に向けて礼をした、なんか安心感が持てる人間だと思った。すると惣五郎はニカっと少年のような笑顔で雪に応えていた、すると、次の瞬間その顔の状態で、竜蔵と、タルカスの前に不動立ちのまま猛スピードで並行に瞬間移動し発勁はっけいを放つと、二人ともその場に疼くまった。

渋谷タルカス「グハッッ」

笠谷竜蔵「うぉっ」


あたりは一面ぐにゃんとなった。気づくと木目の天井が見えた。

渋谷タルカス「木の匂いがする。」


一階からいい匂いと、談笑の声が聞こえる。タルカスが一階に降りると、そこには竜蔵と豪鬼と、惣五郎と、雪と見知らぬちっちゃい女の子がいた。五人で飯を食べていた。


里見惣五郎「ようやく目が覚めたか、ガキンチョ」

渋谷タルカス「ガキ?俺に言ってんのか、雪のことは感謝するが、」


と言いかけた瞬間


東雲雪「黙って」


氷のような冷たい目でタルカスを制した。


渋谷タルカス「すまなかった。」


東雲雪「殴ったことは私が悪いから気にしてないわ、問題は、考えもなく行動したことと、斎藤くん任せに茉莉花ちゃんの件を収集してもらってたことかな。」


渋谷タルカス「なんか大人っぽくなったな」

雪「そうかしら?まぁ、とにかくあの次郎ってのを殺されると私も死ぬからあなたのパンチを変わりにくらったの。」

渋谷タルカス「そうか」

里見惣五郎「まぁお前も座って食えや」

渋谷タルカス「あぁ、改めて、雪のこと感謝するよ」

里見惣五郎「そこのもう一人のガキにも言ったが、小僧、考え無しのヤケはおこすな、これは何にでもいえることだ、わかったな?」

渋谷タルカス「わかった。」


そう言うとタルカスはチキン南蛮みたいなものを頬張った。肉汁が溢れ出し、元の世界では食べたこともない異国の味がして感動した。


前園豪鬼「どうして雪ちゃんは、こっちの世界にきて奴隷になってたドンッッ?」


雪「東京のよく行く、静かな公園があってそこで読書してたら、カッパに攫われて気づいたらあの赤マントの変態の家の牢屋にいて変な淫紋をつけられて、奴隷にされてたわ。」


前園豪鬼「河童怖いドンッッッ。」


笠谷竜蔵「フンッ河童の野郎調子に乗りやがって、こっちの世界で犯罪を働いてやがったのか。許せんな。殺すか。」


渋谷タルカス「いや、河童の話より、淫紋の話だろ。で、大丈夫なのか?」


東雲雪「ええ、問題ないわ、惣五郎さんに治してもらったから、これであの変態ともおさらばね。」


前園豪鬼「良かったドンッッ。」


里見惣五郎「河童を追う気ならやめておけ、ガキの遊びで突っ込んでいい案件じゃねぇ。」


渋谷タルカス「何言ってんだ、俺の世界に侵食してるウイルスみたいなのを、キレイにお掃除してやろうって話だ。遊びじゃねぇよ。掃除だ!!」

笠谷竜蔵「オッサン言うまでもないが、このチンカス雑魚はともかく、俺の竜星拳はあの緑の変態野郎の金玉をクラッシュしたくてウズウズしてるぜ。」


里見惣五郎「俺にも勝てねぇのにか?」

渋谷タルカス「何だとコラッッ?」

笠谷竜蔵「やんのかテメェ??」

東雲雪「クスッ(笑)」

里見惣五郎「フッ、一つ話しといてやる、俺はお前らより強いが、その河童に金玉を破壊されている。」

前園豪鬼「!!」

里見惣五郎「もう一つ恐ろしい情報を教えてやる、お前がそっちの世界で見た河童も雪ちゃんをさらった河童も同じ河童だ。」

笠谷竜蔵「何だと、つまり超高速で動いてると言うことか?なら、俺はともかく、タルカスは瞬殺コースじゃねぇか。」

渋谷タルカス「黙ってろ!オッサンあんた、金玉なくなって闘争心てもんが、抜け落ちたんじゃないのか?」

里見惣五郎「フッ、シャバ蔵がッ、これを見ろ」


空間に映像が浮かび上がった、そこには現実界最強の祇園覚ぎおんさとしと河童の向かい合っている映像が映し出された。河童はカイザーレオという名を名乗り、ボクシング7階級王者の祇園覚を判定で完封かんぷうした映像が映し出された。そのカイザーレオに完璧にコントロールされた試合に、三人は絶句した。

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