正邪

星るるめ

正邪

強引な時代は身を潜め


柔和な時代が


大きくその手を広げた


けれど穏やかな世界に


なったわけじゃない


心に爪とヘイトを隠して


優しく正しく


あろうとする僕らは


言えない 何も言えないで


きっと奥の方から


静かに腐ってゆく


大声を出せるのは


正義を掲げる時だけ


だから、ほら


履き違えた正しさが


今日も暴走している

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