『クラシック音楽の反逆!』  9


 世の中というものには、まず、必ず、敵対する、つまり、利害が対立する、2つのグループができるものである。


 そうして、必ずや、第3の勢力が現れるのである。


 この場合もそうだったのである。


 『ムンダーナ』は、正式には、『ジャヤコガニュアン王国』の一部ではあるが、事実上独立した勢力である。さらに、第3勢力は、はるかな彼方の、小さな地域内に存在する、音楽というものには、必要最低限の関心しか持たないという、絶対的軍事国家である。


 表向きは、やはり、ジャヤコガニュアン王国の一部だが、その支配力が、ほとんど届かない。


 そこに、音楽教育は存在しない。


 軍楽隊もない。


 なぜだか、行進用の太鼓だけはあるが。


 歌をうたうのは、厳禁である。


 もし、そんなことをしたら、死刑または、この場合だけは、つまり本国に追放となる。


 しかし、歌をうたうという、文化そのものが、禁止されて長い。


 文学も美術も、基本的には、ない。むかしは、あったらしいが。


 現在にあるのは、軍事だけである。


 それが、『真日本』であった。


 

      💂💂💂


 


 

 


 

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