第9話
君は朱雲竜とは違うの?
――アリアはそう尋ねた。
「いや、同じですよ、ただ肉体が変わったので名前もちょっと変えましたね」
「そうなんだ、なら、今度から朱雲竜って呼んでもいい?」
「いいっすよ!御主人様!」
「様じゃないけどね」
「いえ、我輩にとっては様っす!なので拒否されても様って呼ぶっす!」
こいつ、面倒くせぇ奴だな、っと思ってしまった。
だってそうじゃん、様じゃないって言ってるのに様ばっかり言ってうるせえんだよなぁ
黙ってくれないかな?
「いま、失礼なこと考えていましたね?御主人様?」
「い、いやぁ、カンガエテナカッタケド?」
「まぁいいでしょう、それじゃ素材集めにレッツゴー!」
その後、他の刀たちも集め終えて、時空の歪みから脱出した。
______________________________________
「ただいま〜」
「おかえり、早かったな」
「そうそう、自我を持ってる刀を見つけて、それでサクサク見つけられたからね〜」
「なっ!? 自我を持ってる刀を見せてみろ!」
「はい、これ」
竜斗は驚いた。
なぜなら、今まで自我を持つ刀など見たことも聞いたこともなかったからだ。
そして竜斗は刀を抜いた。
「やっと敵が来たんですね、アリア様、さて敵はどこか、な、ぎゃあああああああああ誰だよこいつ!」
「叫ぶな、叫ぶな!うるさい!」
竜斗が鞘の中に刀を入れた。
「というかなんか、自我を持ってるって言ってたけど、案外愉快そうだな!あはははははっ」
コレはデジャブか?この刀、人を笑わせる力でも持ってるのか?
「どうするつもりだ、これから。相棒はこいつだけってわけにはいかんだろう」
「うん、だから今から合体させて憧れの武器を作ります!」
「こんな何の変哲もないテーブルでか?」
「うん、そのとおり、行くよ、『武器合成』」
そう唱えた瞬間、何の変哲もないテーブルが輝きだし、武器が一つ一つ合成される。
三分ほど光り続けたあと、コロンという音がなり、合成が完了した。
「できたぁ〜!」
「うん?魔力含有量が馬鹿みたいに少ないけど大丈夫なの?」
「あ〜てことはお父さんはまだ感じられてないのかぁ、それは残念だなぁ、クスクス」
「なんだ、鼻で笑うなよ、コレでも地球で最強なんだからな、」
「それぐらいだと向こうだと、うーん⋯C級冒険者かな?」
「低いの?高いの?」
「中ぐらいだね、どちらでもない平凡な冒険者だね」
「まじか⋯もう心折れそう⋯」
「でも、ダンジョンに潜っとけば地球でもS級冒険者になれるかもねぇ」
「でも、どうやって?」
「まず、深層で一ヶ月生活して、その後下層で1ヶ月半、中層、上層で各二ヶ月かな」
「そんなことしてたら死んじゃうんじゃない?」
「大丈夫、死なない。何故って?私がしたからね」
「おいおい、よくそれで生きてるな!?」
「大丈夫、大丈夫、人間は案外死なないから、」
「いや、死ぬからね!?大丈夫じゃないからね!?」
「話題は戻すけどさ、魔力感じられてないじゃん」
「うん」
「魔力感じれてないってことはさ、実力差が大きいってことだよね」
「そういう問題?明らかに少ないけど」
「まぁ、見てててよ」
アリアはそう言うとその武器を手に取った。
柄の部分に魔力を流す。
刹那、その武器が輝き出し、ある文字が浮かび上がった。
『鬼竜――魔神刀』
――の部分がかすれて読めないが神話上でしか見たことがないような刀を作成したアリア。
竜斗は驚きながらアリアを問い詰めた。
「なっ、これ伝説の宝剣じゃないか!いつ、どこでそのレシピを拾った!?」
「そんなに焦らなくてもいいじゃん、えっと、見つけたのは時空の歪みの中で、地球に来ると
きに見つけたね!」
「なんなんだよ、時空の歪み⋯」
「あ、あとこんなのもあったよ、ほら」
アリアが出してきたのは、黄金に光る剣だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます