第十六話 #コラボ配信②

 ついに始まったコラボ配信。

 

 初コラボの相手は超豪華な姉である。

 配信が始まって姉の姿が見えた瞬間それはもう大盛り上がり。


 コメント欄がおもしろチャンネル出てくるのまじ!? で埋め尽くされていて、中々に気持ちがよかった。


 そうやで、俺はおもしろチャンネルと知り合いなんやで。

 その次に姉弟だと情報を出したら、さっきよりもコメント欄が爆速で流れ始めた。

 めちゃくちゃ驚いてくれてるから、こっちとしても気持ちがいいな。

 

 まあここで間違えちゃいけないのが、これは俺の力ではないと言うことだ。

 自惚れてはいけない。

 全ては姉の力なのだ。


 俺もいつかはこんな感じになるのが目標だ。

 出てくるだけで、わーきゃー言われる存在に俺はなりてえ。周りからチヤホヤされてえんだ。



「さて、オープニングは済ませたし雑談といこうじゃねえか。今回のトークテーマは誰かの秘密の暴露〜!」

「暴露〜! …………あれ、ちょっと待ってクロ、わたしが企画したのと違くない!?」

「お前の企画、テーマがフリートークって雑過ぎんだよ!!! もっと気を遣え! 俺は配信初心者なの! だからこっちで勝手にテーマ考えました!」

「酷い!!!」



<コメント>

・誰かの暴露は草

・とてもコラボ相手とやる様な内容じゃないだろ

・これぞ姉弟だからできる離れ業

・姉もいい加減だが、弟も弟だな

・誰のだよ



「なんでこの企画にしたかって言うと、アンタレスに黒歴史暴露されて俺もやりたいって思ったからです」

「その矛先がわたしになるのおかしくない?」



<コメント>

・アンタレスにやり返せよ

・ただの八つ当たりじゃねえか

・怒りの矛先身内になのおもろ笑

・だれも幸せにならないの草

・そうだぞチーレムデザイナー



「いや、そこのお前違うぞ。正しくはCGクリエイターの自称Aランク探索者のチーレム小説家な」

「いや長。もはや詠唱じゃん」

「コレ3回唱えたらダンジョンにパソコン持った俺が召喚されます」

「何ができるの?」

「チートハーレムの小説書ける」

「役立たねえな!!!」


 

<コメント>

・しかも自称Aランク探索者だから、戦闘もできるか危ういっていう

・もしくはCG作るかしかできねえじゃん笑

・草

・ダンジョンで何一つ役に立たないwww



 

「尚戦闘はできないので、巻き込まれない様に隅っこの方でパソコンをカタカタしていることとする」

「あとCGの腕前は、とてもお世辞には褒められない物とする」


「まじお荷物じゃん」



<コメント>

・召喚する必要性が一切見当たらない

・ゴーストライターにするぐらいしかないだろ

・できねえならCG要素いらねえよ




「はいはい、脱線しすぎてもあれだから早速企画に移ってくよー」

「まじでやるのかー、てかさ誰かの秘密って言っても誰のでもいいの?」

「誰でもだからな。誰でもいいんだよ。例えばこの場にいない家族とかでも」

「ふーん……なるほどね」



 そういいというと、姉は俺の方を意味ありげな顔で見てきた。

 ああ、なるほどコイツ。



「別に俺のはどれだけ黒歴史暴露されたって構わねえぜ。だってもう、とっておきのやつアンタレスに暴露されたからなァ! どんなの出てきても俺には効かないよ!」

「くっそぉ……」

「じゃあ俺は姉ちゃんの秘密でも暴露しようかな」

「おいクロてめえ!」



 今すぐにでもとっかかってきそうな姉を|落ち着かせる。

 そして、コンパクトサイズのホワイトボードとペンを姉に手渡す。



「今渡したホワイトボードに誰かの秘密を書いてもらいます」

「ほう」

「もう一人はその暴露から誰の秘密なのかを考察してもらいます。当てたら1ポイントもらえます」

「ほう!」



<コメント>

・様は人物当てクイズってことか!

・参考になるものが誰かの秘密なのまじで草

・しかも情報元が暴露っていう

・最低すぎるwww



「それじゃあシンキングタイムスタート! 制限時間は三分でタイマーがなったら終わりな」

「おっけー! とびきりの秘密用意してくるから覚悟しときなよ」

「ちなみにポイントが少ない方は罰ゲームだからな」

「なんでスタートしてからそれ言うの!」



 文句を垂れながら、それでもホワイトボードに向き合うあたり配信を面白くしてやろうというやる気を感じる。

 さすが腐っても配信者だな。


 まあ罰ゲームって冗談だけど。

 

 さて、そろそろ俺も書き始めなきゃ時間が無くなるな。

 まあ企画発案者だし、もちろん何個か考えてきてラインナップはあるが……何から言ったらおもしろいかな。


 いいや、まずは軽いジョブからいこうか!


 そして、制限時間の終わりを告げるアラームが鳴った。



「はい、終わりです。書けた?」

「ふっふっふ、もちろんだともクロ。楽しみにしとくがいいさ」

「じゃあいくか。俺から出題するな」



—————————————————————



中学時代、一人称がボクだった時期がある


—————————————————————



<コメント>

・中学時代ボクっ子だった人ってだれだろ?

・案外アンタレスだったりしてな

・僕じゃなくてボクなところが肝な気がする



「…………」

「いやー! これは難しいかもな〜! どんどん質問していいからね! はい、か、いいえで答えるから! 質問は3回までね!」

「…………」

「にしても自分のことをボクって言ってた女の子か! 多分静かにしないと殺すよ? とかいって笑顔でキレるんだろうな〜!!! 厨二病とかに憧れちゃったのかナ??? あ、女の子って言っちゃったけどこれヒントでいいよ!」

「…………ねえクロ、ちなみに罰ゲームって何するの?」

「一ヶ月間身の回りの家事は全部自分でやって貰う」

「はい、これはわたしの秘密ですね」



<コメント>

・草

・おもしろチャンネルの暴露かよ!!

・罰ゲーム聞いて即答しやがった笑

・潔いな

・よっぽど家事がしたくないんだなww



「で、その心は?」

「アニメのキャラに憧れてました!!!」

「潔いいね!!! じゃあ1ポイントな!」



 恥ずかしがりながら答えてくれた姉に、俺は笑顔でサムズアップをする。

 ちょっと睨んできたが、他人に秘密をバラされた時の気持ちを共有できて俺は嬉しいよ!!!



「これ結構心に来るね、まじ恥ずかしい」

「だよな! じゃあ次は姉ちゃんの番な」

「おっけー。答え当てさせて、答えの人に恥かかせてやる」



 そういえばあんまり答えが家族や友達とか身内になってもいけないって伝えていないが、姉はちゃんと視聴者が分かる答えになっているだろうか? とか一瞬心配したがまあ大丈夫か。

 配信者だしそこらへんは姉の方が詳しいしな。

 心配するまでもないか。



「わたしの問題はコレ! ばばん!」



—————————————————————



電気ケトルを火にかけたことがある


—————————————————————



「自分の話ですか?」

「違いますし! わたしじゃありませんー!」

「秘密っていうか事故引き起こしてるんすけど」

「ギリ火事にはなってなかったよ」


 

 電気ケトルってあれだろ、あっという間にすぐに沸くやつだろ。

 あれを火で炙ったアホがいるってことだろ……?


 考えろ、考えろ、考えた結果が……



「やっぱりコレ姉ちゃん以外いないだろ」

「なんでさ! もっといるでしょ!」

「だって俺の知る限りアホほど家事関係できないのお前以外いないし……」

「酷いなほんとに!!!」



<コメント>

・正直おもしろチャンネルな気がする

・俺も

・ワイともそう思います

・アンタレスや田中とかがそんなミスするとは思えんし

・もう決まったくね?



「そうだよな。よし答え合わせいくわ。この暴露はズバリあなたです、おもしろチャンネル!」

「ちーがーいーまーす!」

「な、なんだって!?」

「だから!!! 何度も違うって言ってるでしょうがーーーーーーー!!!!!!!」


 

 姉の魂の叫びは長らく続いた。


 あと姉は普通に負けて家事を一ヶ月間することになった。









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更新です


質問箱設置しました

今後この作品内で使いたいので、質問を募集します

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