転生剣士 〜錬金術での魔法剣技無双〜

第6話: 防具の強化

ミスティアブレードを完成させたものの、俺はまだ満足していなかった。確かに剣の力は強大だが、それだけでは戦いを制することはできない。これまでの戦いで、俺は何度も敵の攻撃を受けてきた。そのたびに思い知らされるのは、防御の脆さだ。俺の剣技は日々進化しているが、防具に関してはまだ改善の余地がある。

特に、強力な魔法攻撃や素早い物理攻撃に対して、今の防具では限界がある。だから、次は防具を強化する番だ。ミスティア鉱石の力を使えば、物理防御だけでなく、魔法に対する耐性も高められるだろう。これが完成すれば、攻守ともに完璧なバランスを手に入れられる。

俺は錬金術工房に戻り、防具を一つ一つ確認し始めた。今まで使用してきた防具は、質の良い素材で作られているが、敵の魔法攻撃には十分な耐性を持っていない。これを改善するために、ミスティア鉱石を使って強化する必要がある。

「ミスティア鉱石の魔力増幅能力を使えば、防具の強化も可能だ…」

自分にそう言い聞かせながら、作業に取り掛かる。まず、鉱石を小さな破片に分け、それを防具に埋め込む。鉱石を単に埋め込むだけでは不十分だ。防具全体に魔力を均等に行き渡らせるため、鉱石のサイズや配置、そして魔力の流れを細かく調整する必要がある。俺は慎重に鉱石を取り扱い、それぞれの防具に適切に配置していく。

まずは胸当てから始める。内側にミスティア鉱石を埋め込み、そこに魔力を込める。石がしっかりと防具に取り付けられると、微かに青白い光が漏れ出した。これは鉱石が防具と一体化していく証拠だ。魔力の流れを全体に行き渡らせるには集中力が求められるが、俺の手は迷いなく進む。

胸当てに魔力を注ぎ込みながら、力を均等に浸透させる。もし魔力の流れが偏れば、どこかに弱点が生まれてしまう。俺は魔力が防具全体に行き渡る感覚を感じ取りながら、さらに魔力を込めていく。光が強まり、胸当て全体が淡く輝き始めた。

「これで、物理攻撃にはしっかり耐えられるようになったはずだ」

自信を持って、次は肩当てや腰当ての強化に取り掛かる。手順は同じだが、一つ一つの防具に込められる魔力はそれぞれ異なる。すべての防具を強化し終わったとき、その感触が確かに変わった。見た目には大きな変化はないが、全体がまるで魔力のシールドで覆われているような感覚がする。

物理防御の強化が終わったところで、今度は魔法に対する耐性を高める作業に移る。魔法攻撃はエネルギーそのものが襲ってくるため、適切な魔力の防御が必要だ。俺は、以前学んだ「魔法盾」の技術を応用し、防具全体に魔法耐性を付与することを決意した。

集中して、今度は魔法の力を防具そのものに注ぎ込む。魔力が防具の中を巡り、外部からの魔法攻撃を吸収し反射する力を持たせる。再び青白い光が広がり、防具全体が震えた。これで、魔法にも耐えられるようになったはずだ。

「これで、魔法攻撃にも対抗できる」

完成した防具を手に取り、その感触を確かめる。これで、物理的にも魔法的にも万全な状態だ。俺は防具を身に着け、実戦でのテストを行うことにした。森の中に入り、強力な魔物である「ファイアリザード」との戦いでその性能を確認する。

リザードが放った炎が俺の胸当てに直撃するが、俺はほとんどダメージを感じなかった。防具が魔法を吸収し、守ってくれているのが分かる。成功だ。次に物理攻撃を受けてみる。リザードの鋭い爪が振り下ろされるが、防具に込められた魔力がその一撃を完全に防いだ。

「完璧だ…」

俺は満足げに剣を抜き、リザードを一撃で仕留める。戦いはあっという間に終わり、俺の防具が実戦で役立つことを確認できた。これで、どんな攻撃にも耐えられる自信がついた。次の試練にも万全な備えができた。

「これで…次の試練にも対応できる」

心の中でそう呟きながら、防具を整え、次なる冒険に向けて準備を進めた。俺の旅はまだ終わらない。だが、この防具強化により、俺はまた一歩、目標に近づいた気がする。

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本日5話更新（12:00、12:30、13:00、13:30、14:00）していきます。

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