第4話: 自己鍛錬の開始

錬金術を使いこなして回復ポーションを作ることに成功した俺は、次なるステップを考え始めていた。この異世界で得た知識は膨大だし、魔法の力もある。だが、ただ知識や錬金術があっても、それだけで生き抜けるほど甘くはない。この世界で本当に力を発揮するためには、まず自分自身が強くなければならない。


「まずは、身体を鍛え直す必要があるな」


前世の俺はスポーツ万能で、特に学生時代は剣道や武道に励んでいた。体力や筋力には自信があったが、それも昔の話だ。45歳を過ぎてからは、病で衰え、かつての体力は失われてしまった。しかし今、目の前にあるのは若返った俺の身体。まるで18歳に戻ったかのようだ。この身体なら、かつての力以上のものを手に入れることができるはずだ。


「体力だけじゃない。剣術や武術もこの世界に合わせた技を習得しなきゃならない」


俺は自分にそう言い聞かせ、身体を鍛え直す決意を固めた。幸い、この異世界の住居は広く、鍛錬をするのに十分なスペースがある。まずは基礎体力をつけるために、毎朝のランニングを始めた。持久力は戦いにおいて重要だ。体力と筋力をつけるために、毎日自分の限界を超えて鍛錬を続けていく。


「やっぱり、若返った体はすごいな。すぐに慣れてきた」


走るたびに、身体がどんどん応えてくれる感覚がある。前世の疲労感や衰えとはまるで別物だ。若い頃のような柔軟さと、速い回復力を感じる。これはこの異世界の魔法や環境のおかげかもしれないが、それでも自分を鍛える必要がある。魔法の力に頼り切っていては、いざという時に真の力を発揮できないだろう。


次に、俺は武術の鍛錬に取りかかることにした。この世界では、ただの体力だけでは生き残れない。剣術や体術、特に戦闘においてはこれが重要だ。俺にはかつて剣道で培った経験がある。それを活かしつつも、この世界の戦闘に合った独自の技を編み出す必要がある。


家の一角には古びた武器が置かれていた。その中から自分に合った剣を手に取る。ずしりとした重みは前世で感じたものとほとんど変わらないが、この世界では人間相手だけじゃなく、魔物や魔法使いとも戦う必要がある。


「敵は魔物や魔法使いか…剣の扱いだけじゃ足りないな」


俺は剣を振りながら、異世界の戦闘について思いを巡らせた。人間相手の剣技では、この世界では通用しない可能性がある。未知の敵や魔法攻撃に対応するためには、より柔軟な戦い方が求められるだろう。だがそれは、かつての俺にはなかった新しい挑戦でもある。


「まずは剣の扱いに慣れることだ」


俺は基本的な動作を繰り返し、剣の感覚を身体に染み込ませていく。振り下ろし、突き、防御の一連の動作を何度も反復し、感覚を研ぎ澄ませる。剣道の経験がすぐに蘇り、自然に身体が動くようになっていく。だが、この異世界ではそれだけでは不十分だ。相手は魔物や魔法使いなのだから、剣だけに頼るわけにはいかない。


「いい調子だ。この感覚をもっと研ぎ澄ませるんだ」


剣術だけでなく、体術も磨かなければならない。敵が魔物や魔法使いなら、剣だけでなく、素手での戦い方や回避技術も必要だ。俺は攻撃と防御をバランスよく組み合わせ、身体を最大限に活かすための戦闘スタイルを構築し始めた。


鍛錬を重ねるうちに、俺の体がどんどん強くなっていくのがわかった。前世の身体とは違い、反射神経や敏捷性が格段に向上している。それは魔法の影響なのかもしれないが、とにかく今の俺はかつての自分よりも遥かに強くなっている。


さらに錬金術で作ったポーションの効果が、俺の成長を後押ししてくれる。強化ポーションで身体能力をさらに高め、回復ポーションで身体の疲労を瞬く間に癒していく。この世界のポーションは、まさに異常なほどの効果を発揮する。


「ポーションのおかげで、多少無茶な鍛錬でもすぐに回復できるな。これを活かして、もっと強くなれるはずだ」


俺はトレーニングをさらに過酷なものにした。剣技と体術を組み合わせた戦闘スタイルを模索しつつ、防御力も強化するために防具の強化にも着手した。錬金術を駆使して盾や防具を強化し、攻撃を受けても耐えられる身体を作り上げていく。


「これで、この世界の敵とも戦えるはずだ」


日々の鍛錬の成果を感じるたびに、俺は自信を深めていった。前世の自分とは比べ物にならないほどの身体能力を手に入れ、この世界で生き抜くための技術も確実に身についてきている。剣技のスピードと力は格段に向上し、体術によって相手の攻撃をかわし、反撃することもできるようになってきた。


しかし、そんな中で俺は一つの疑問を抱き始めていた。この異世界で俺が戦う相手とは何なのか?俺はこの世界で何を成し遂げるべきなのか?錬金術と戦闘技術を学び強化する中で、俺はこの世界の真の姿を知る必要があると感じ始めた。


「次は、この世界の外に出てみるか…」


鍛錬の成果に満足しつつ、俺は新たな冒険に向けた準備を進めることを決意した。俺が鍛えた技術や力を試す機会は、必ずや訪れるはずだ。そして、その時が来たとき、俺はこの世界で無双するための全てを手に入れているだろう。


こうして、俺は錬金術に続いて自己鍛錬を始め、自分の身体と戦闘技術を大幅に向上させた。次に待ち受けるのは、この異世界での冒険だ。俺はそれに向けて、さらに力を蓄える。



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