第26話 何事も基本は英語だね。
タクシーのエンジン音だけが響く中、私は昨日のハイジャックが起きた時彼女がなぜあの時コックピットにいたのか?時間があるので聞いてみることにした。
「そういえば千理、お前あの時どうしてコックピットにいたんだ?」
千理は目を丸くして答えた。
「葵ちゃん今更それ聞くの?」
「聞く」
「分かった」
千理は顔を伏せ小さく息を吐きながら事の真相を教えてくれた。
「実はあの時ハイジャック犯に連れて行かれたの。無理やりね。」
「連れて行かれた?」
千理は軽くうなずき続けた。
「あの時銃を持った人が来て機長さん達に人質を取ってることを見せしめる為の人質にされたの。そのあとは知っての通り」
「そっかそれは大変だったな」
少し間を置き千理は聞いてきた。
「今度は私の番。葵ちゃんはドイツ語も英語もどうしてできるの?」
何を聞くかと思ったらそんなくだらないことを聞く千理に笑ってしまった。
「私は真剣だよ!葵ちゃん。」
「いやーごめんごめん。そうだよな。千理からしたら不思議だよな。AIによる多少の補正はあれどあれは自力の差だよ。育った街がドイツだからドイツ語ができるだけ。英語もそれなりに勉強したからできるだけだよ。何事も基本は英語から。でも英語圏でないとその言葉を習得しないといけないからそこは多少AIで補ってるよ?日本語がその典型例だな」
「葵ちゃんにとって母国語は?」
「ドイツ語…だと思う」
「習得言語は?」
「一応英語、ドイツ語、中国語、日本語は詰んでる」
「無理矢理?」
「実験の過程で中国語と英語は習得したけど中国語はあくまで日常的なものしか私はわからない。英語は昨日のとおりだよ」
「どうやったてそこまで行けたの?」
「うーん。なんというこればかりは習うより慣れろだな。苦手意識を持たずにその環境に慣れることが大切。千理にも英語くらいは話せるくらいにはなんとかするつもり。」
「程々にね」
「程々ね…それともう1つ。親とは連絡取れているのか?」
「大丈夫だよ。言いたいことはお互い言い合ったから」
千理の言葉に私は少し安堵した。親との関係改善に向け千理も親もお互いに歩み寄っているからだ。
トンネルは山の中に入り霧が差し掛かる。
タクシーがゆっくりスピードを落とし停止する
「So, bis hierher. Den Rest müssen Sie alleine schaffen.」
(俺がいけるのはここまでだ。あとは自分たちで何とかしろ)
前の幽香の肩を叩き起こす。
「起きろ。幽香。ここから歩くぞ」
「千理も降りるぞ。こっからは歩きだ」
幽香はアイマスクを外し、私は提示された額を払う
「もう着いたか。優秀な運転手だな」
そんな事を呟きチップを幽香は払った
「danke」
(ありがとう)
私達はタクシーを降りた。また千理におぶってもらうがいたしかない。限界が来たらその時は幽香に頼む事にした。
タクシーはそそくさとその場をあとにした
「ここからは運動だ。少しばかり歩くが我慢したまえ」
私達は幽香の言う骨が折れる人物のもとへ歩き出した。まぁ私は千理におぶってもらってはいるが
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